2015 Fiscal Year Research-status Report
1960年代~70年代の日本の放送メディアにおける寺山修司の創作活動の研究
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25370204
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
守安 敏久 宇都宮大学, 教育学部, 教授 (80247866)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 寺山修司 / 泉鏡花 / ラジオドラマ / NHK |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までは、構成=寺山修司、演出=萩元晴彦により1960年代にTBSで制作された一連のテレビ・ドキュメンタリーについて考察したが、今年度は、NHKで制作されたラジオドラマ『瓜の涙(泉鏡花・著〝瓜の涙〟〝河伯令嬢〟から)』(作=寺山修司、演出=古川仁、1980年11月1日放送)を考察対象とし、さらに寺山修司が泉鏡花原作に触発されて製作した映画『草迷宮』(監督・脚本=寺山修司、1979年)についても研究を進めた。 ラジオドラマ『瓜の涙』にも映画『草迷宮』にも、泉鏡花原作から引き出された球体や円形のイメージが頻出している。それは、寺山修司にとって、「母の乳房」にも「母の生首」にも置き換え可能な、「母探し」と「母殺し」とが交錯するバロック的な「球体幻想」の世界である。 この研究については、国際寺山修司学会第19回春季大会(立正大学品川キャンパス、2015年5月23日)にて、「寺山修司の映画『草迷宮』」と題して口頭発表した後、学術論文「寺山修司の映画『草迷宮』―「母探し」と「母殺し」―」(『宇都宮大学教育学部研究紀要』第66号第1部、2016年3月)として発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、研究は順調に遂行されている。研究期間を延長したのは、この研究成果を単行本として公刊し、広く一般に公表するためである。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究成果を単行本にまとめるにあたって、収録論文についての、さらに精緻な確認と加筆・修正が必要である。
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Causes of Carryover |
当該年度の物品費と旅費が当初想定より、低く抑えることができた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究を遂行するための物品購入と旅費に充当し、さらに研究成果を出版するための印刷費用に充当したい。
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Research Products
(3 results)
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[Presentation] 寺山修司の映画『草迷宮』2015
Author(s)
守安敏久
Organizer
国際寺山修司学会第19回春季大会
Place of Presentation
立正大学 品川キャンパス
Year and Date
2015-05-23 – 2015-05-23
Int'l Joint Research