2016 Fiscal Year Annual Research Report
A reconstructive study of songs in medieval Buddhist ceremonies- Focus on chanting and preaching Lotus Sutra -
Project/Area Number |
25370206
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
柴 佳世乃 千葉大学, 文学部, 教授 (60235562)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 中世文学 / 仏教 / 儀礼 / 読経 / 芸能 / 唱導 / 法会 / 音楽 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、中世日本において行われた仏教儀礼について、〈音曲〉という観点から考究するものである。 28年度は、法会を音曲的観点から眺め、芸態復元に結実させるべく、以下の二つの観点から研究を行った。一つ目の柱として、仏教儀礼における読経や唱導の位置づけとその体系の解明。二つ目の柱として、そうした仏教儀礼の具体相を現代に甦らせる試みとして、「如意輪講式」の復元実唱に関わる調査研究と儀礼遂行である。 前者に関しては、①柴佳世乃「唱導書に見る音楽・音曲―能読と能説の交差・連動―」(『藝能史研究』214号、東京例会特集号、2016年7月)、②柴佳世乃「法華経と読経道―芸道としての法華経読誦―」(アジア遊学『日本化する法華経』勉誠出版、2016年10月)をまとめた。また後者に関しては、③柴佳世乃「澄憲作『如意輪講式』について」(中尊寺、2016年6月26日)の講演を行い、法会を遂行した。法会の概要は④柴佳世乃「澄憲作『如意輪講式』について」(『如意輪講式』中尊寺法要パンフレット、2016年6月)にまとめられ、⑤柴佳世乃「澄憲『如意輪講式』を読む―大覚寺蔵七段式の訓読―」(『中尊寺仏教文化研究所論集』4号、2017年3月)、⑥柴佳世乃「書写山圓教寺蔵『如意輪講式』解題と翻刻」(千葉大学『人文研究』46号、2017年3月)、⑦柴佳世乃「澄憲と『如意輪講式』―その資料的価値への展望―」(『中世文学の展望を拓く』第五巻、勉誠出版、近刊)が資料調査および読解を通じた研究の成果である。 以上の大きな二つを軸として、読経・説経(唱導)の芸能的側面を仏教儀礼の中に位置づけるとともに、音曲の古態復元の営みとして、声明の専門家との共同作業による儀礼を実現させた。
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Research Products
(7 results)