2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25370213
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
土谷 桃子 岐阜大学, 留学生センター, 准教授 (70331139)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 岐阜地域 / 歌舞伎 / 劇場 |
Research Abstract |
本研究のテーマである岐阜における商業演劇の実態は、先行研究があまり見当たらない。研究初年度の25年度は、先行研究がわずかでもないかを再確認することから初め、研究計画で示したように「劇場」という芝居の「場」の基礎調査をすることに費やした。 先行研究の確認については、岐阜の地芝居・地歌舞伎(プロの役者ではなく、その地に住む人々が祭礼等の機会に演じる芝居・歌舞伎)についての先行研究は充実しているのに対し、やはり商業演劇については不毛であった。本研究を遂行する意義を、改めて強く実感した。もちろん、地芝居・地歌舞伎の先行研究から学ぶことも多く、先行研究の確認は有意義であった。 劇場の基礎調査としては、まず公になった記録から劇場公演記録を拾うことを優先した。当たった資料は、『岐阜日日新聞』『濃飛新聞』『歌舞伎新報』『岐阜史映画館年表』『明治の演劇』『歌舞伎年表名古屋編』等である。最もこの地について詳しく記載されていると思われる『岐阜日日新聞』は、残念なことに明治期紙面の残存が明治15年7月から12月、明治18年9月以降のみであるため、全貌を明らかにするには不足だが、他の資料で補いつつある。今年度筆者の実施した網羅的な資料調査の前例はなく、岐阜の商業演劇を知る基本的資料になることを自負している。 劇場を主たる調査対象としたが、26度に主力を注ぐ岐阜地域の役者についての情報も思わぬところから得られ、次の段階に繋がると自身でも大いに期待している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、先行研究・先行調査が見られない岐阜地域の商業演劇の実態を明らかにすることを目的としている。研究初年度の25年度は、劇場を中心に劇場公演状況に努めた。現在も続々とデータを入力しているが、複数の資料をクロスさせることで信憑性の高い実態把握ができること、今までは全く日の目を見ていなかった公演が発掘されるなど、興味深い状況である。特筆すべきは、本研究は芝居をメインとしているが、劇場を探るなかで、芝居以外の見世物(音曲、相撲など)がさまざまに岐阜の地に集まっていたことが分かり、本研究の根本の目的である「岐阜の地域文化の一端を解明する」に寄与することを自覚した。
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Strategy for Future Research Activity |
「劇場」という「場」に主力を注ぐ段階から、26年度は「役者」という「人」に焦点を移していきたい。しかし当然のことながら、両者は不可分であり、状況に応じて柔軟に両者を追及していきたい。有望な資料として、岐阜市立博物館所蔵資料を活用したいが、同資料は目録がなくカード検索が必要である(実はカードにも取られていないものすらあるとも聞いている)。ぜひ26年度はこの資料に挑戦したい。 25年度は基本情報集積に費やしたため、詳細な分析には至っていない。26年度は集積データの整理と分析を試み、『岐阜大学国語国文学』または『岐阜史学』に研究成果を発表することを強く目標として意識している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
残額(1,271円)は、希望物品の購入、旅費ともに不足であり、次年度予算と合わせ物品購入または旅費に当てたいと考えた。 上記の通り、26年度予算と合わせて物品購入または旅費として使用する。
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Research Products
(1 results)