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2016 Fiscal Year Annual Research Report

Research on Sequil of Japanese Pre-modern Literature

Research Project

Project/Area Number 25370216
Research InstitutionNara Women's University

Principal Investigator

千本 英史  奈良女子大学, 人文科学系, 教授 (50188489)

Project Period (FY) 2013-04-01 – 2017-03-31
Keywords続編 / 受容 / 享受史 / 読者
Outline of Annual Research Achievements

『続無名抄』(岡西惟中『消閑雑記』)、『続徒然草』』(清水春流『睡余操筆』)についての調査を進めた。
『続教訓抄』について、巻22に限定しての形でではあるが、島原松平文庫本と大阪府立中之島図書館石橋文庫本(いずれも巻22のみの端本、石橋文庫本は後半欠脱)と、日本古典全書の活字本との対校作業を進めている。さらに国会図書館本、京都大学文学研究科図書館本について調査、賀茂別雷神社三手文庫本の紙焼き写真を入手して、これら三本を加えた対校作業を開始した段階である。
以上に加えて、あらためて古典文学における続編の位置づけを確認するために、近代以降の続編の存在に着目して、両者の差異について考察を行った。たとえば夏目漱石の『明暗』に対する『続明暗』(水村美苗)や『夏目漱石「明暗」蛇尾の章』(田中文子)などの存在である。漱石という作者、『明暗』という作品を享受する層としての読者(消費者)が出現し、その欲求(欲望)に応える形で、新たな作者と作品が生み出される。これは、往古の作者・作品を追慕してその続編をものした近世文人の営為ともまた違ったもので、ここには作者と読者の明確な分離(欲求を持ちながらも読者はそれ自身で作者となることができない)による新たな作者への委任という問題が大きく影を落としているかに思われる。
続編という視覚から、文学営為の、それぞれの時代によるありようの諸相が浮かび上がってくるように思われる。

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Published: 2018-01-16  

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