2016 Fiscal Year Annual Research Report
Relation of Medieval Waka to Buddhism: A Cross-Disciplinary Study
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25370218
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| Research Institution | Nara Women's University |
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Principal Investigator |
岡崎 真紀子 奈良女子大学, 研究院人文科学系, 准教授 (30515408)
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| Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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| Keywords | 和歌 / 仏教 / 中世 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、仏教に関わることがらを詠む和歌についての研究である。ただし、とりあげるのは、勅撰和歌集における「釈教歌」（しゃっきょうか）の部立に採録されるような、いわゆる和歌伝統の領域に収まる和歌だけではない。日本の中世において数多く成立した、説話集や古典注釈、あるいは神道書や直談書、法語集などといったさまざまな文献に現れる、五七五七七の歌形をもつ詩歌全般に着目する。それらは、ある説話の末尾をしめくくる評語として機能する歌であったり、受け手に教訓的・道徳的な示唆を与える機能を持つ道歌（どうか）と呼ぶべきものであったり、仏菩薩に和歌を捧げることで祈願するという詠み手の心情的な動機をもった和歌であったりと、きわめて多様である。また和歌表現を見ても、漢語・仏教語をそのまま詠みこんだり、口語的な言い回しを用いたりした歌も少なくなく、興味深い。以上のような和歌を幅広く視野に入れて考察することによって、従来の文学研究で規定されてきたジャンルを越えた観点から、中世における和歌と仏教思想の相関について、領域横断的に検討を試みた。
考察にあっては、まず対象とする時代の範囲を、平安末期頃から室町期までに定めた。そのうえで、対象とする文献として、『沙石集』、中世古今集注釈、日本紀注釈、神道関係書、法華経の直談書などをとりあげた。それぞれの文献に掲出される歌について、歌の内容と文脈のなかで果たす機能について考察し、背景にある仏教思想について明らかにした。以上の検討を通して、和歌と宗教的言説が深層で関わっていることを確認し、和歌を詠むという行為こそが大きな意味を持っていたということを、学際的に捉え直すことができた。
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