2015 Fiscal Year Annual Research Report
松代・一関・南部・秋田各藩の和歌活動・俳諧活動による大名文化圏形成解明の新研究
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25370223
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
平林 香織 岩手医科大学, 公私立大学の部局等, 教授 (50300132)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神作 研一 国文学研究資料館, 大学共同利用機関等の部局等, 教授 (30267893)
伊藤 善隆 湘北短期大学, その他部局等, 教授 (30287940)
志立 正知 秋田大学, 教育文化学部, 教授 (70248722)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 大名 / 和歌 / 俳諧 / 松代藩 / 庄内藩 / 秋田藩 / 南部藩 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、江戸時代の松代藩及び東北諸藩における藩主の和歌活動・俳諧活動を研究対象とした。大名文芸資料のなかでもとりわけ俳諧資料は「雑俳」という名のもとに注目されてこなかった。大名家では、藩の存亡をかけて堂上歌人と強い絆を結び、和歌活動に熱心であった。また、明和期以降およそ三百諸藩のうち約六分の一の藩主が俳諧活動を行っている。中には、師に当たる俳諧点者から点印・俳号を伝授され俳諧宗匠として活躍する大名もあった。 諸藩の文化圏形成の実体を伝える膨大な和歌・俳諧資料は、各地の博物館や個人が大切に伝来してきている。しかし大半は、未調査のまま埋もれていたり、歴史学の補助資料としてのみ活用されていたりするにとどまっていたが、本研究では、それらの資料を所有者の意向を確認しながら調査させていただきつつ、単なる手すさびごとでなく、一家をあげての大事業として大名が和歌活動・俳諧活動を展開していたこと解明した。また、これまで各地の資料は単独で、ひとつの大名家、あるいはひとりの大名の活動を裏付けるものとしてのみ扱われてきたが、それらを相互に関連付け、時代を担う大名文化圏の広がりを明らかにした。調査対象は、当初、松代藩、一関藩、佐竹北家(秋田藩所預)、南部藩を予定していたが、調査の過程で、庄内藩についても調査対象とすべきことがわかった。メンバーが分担して、それぞれの調査地に赴いて調査を行うともに、毎年テーマを決めてシンポジウムを開催し、研究成果を公表し、問題点を集約し、意見交換を行うことで、研究の進展をはかった。また、毎年シンポジウムを開催し一般にも公開して研究成果を地域に還元した。
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Research Products
(3 results)