2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25370266
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
馬籠 清子 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (60463816)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 20世紀半ば / カルテット / 世界観 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の2年目として、1年目の成果を海外で発表しつつ、更なるリサーチを国内とアメリカで行ったほか、分析対象の作品や関連資料を読み進めた。
Lawrence Durrell に関する研究成果として、2014年5月にカナダのバンクーバーで開催された International Lawrence Durrell Society Conference で “Place in Durrell’s The Alexandria Quartet” を発表した。四つの小説から成る文学作品の最後で、音楽の四重奏的なイメージがどう浮かび上がってくるかという点を、Alexandria という場所の重要性に関連付けながら議論し、聴衆から今後の研究の発展に大きなヒントとなるコメントをいただいた。この発表を基に、査読付学術誌からの論文出版に向けて、執筆を進めている最中である。
また、論文という形では、Notes on Contemporary Literature から “Expand and Revise the History of Western Literature: Michael Cunningham’s By Nightfall”(米国・査読付)を出版した。さらに、アメリカで公募がかかっていた研究書 Carson McCullers in the Twenty-First Century にプロポーザルを提出し、“The Heart Is a Lonely Hunter as a Representative Modernist Musico-Literary Quartet” が1章として採用されることが決定している。2015年9月の締切に向けて、執筆中である。 翻訳についても、クレア・V・ワトキンスの『バトルボーン』が校正中で、2015年6月に出版される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「研究実績の概要」に書いた通り、各種リサーチや作品・資料の精読が順調に進んでいるほか、海外での学会発表や査読付学術誌からの論文出版も積み重ねている。また、プロポーザルの採用なども決まっており、研究書の章の執筆も続いている。さらに、本研究での成果は、大学・大学院で担当している授業にも様々な形で直接的・間接的に反映されている。
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Strategy for Future Research Activity |
Carson McCullers の研究書の1章となる論文を、締切の2015年9月までに書き終える。
四重奏文学である McCullers の小説 The Heart Is a Lonely Hunter が1940年に出版された後、T. S. Eliot や Thomas Mann の重要な四重奏文学作品が1940年代に出版されているので、特に1940年代へ焦点を当てながら論文執筆を続ける。
1950~60年代に四重奏文学作品を発表した Durrell, Doris Lessing, Vladimir Nabokov についても、さらに作品の分析と資料の精読を進める。
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Research Products
(2 results)