2017 Fiscal Year Annual Research Report
The Changing Landscape of "English Literature" and the Political-Economy of English Film Culture
Project/Area Number |
25370273
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
大田 信良 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (90233139)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 英文学 / 映像文化 / ポリティカル・エコノミー / メディア文化 / ポピュラー・カルチャー / グローバリゼーション / 金融資本 / 教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.「ヘリテージ映画」以降の英国映像文化と「英文学」の変容については、両者を媒介する大衆出版メディアとその制度化以前のポピュラリティの歴史的意味に注目し、大英図書館におけるThe Children’s EncyclopaediaやChildren’s Newspaperをはじめとする資料調査に基づいた論文「アーサー・ミー、コドモ、ポピュラー・エデュケーションの価値」を出版した。 2.「英文学」の制度化と米文学・アメリカ研究との関係については、さまざまな成長あるいはdevelopmentを表象するテクストを、米国ミュージカルとは差異化される英国ミュージカル・コメディや英国教養小説の歴史的・地理的関係性において探った、大谷伴子との共著論文「成長のアンチノミーとトランス・メディア空間――ポスト帝国のイングリッシュ・スタディーズ」を出版した。 3.出版メディア・大学制度に関わる研究については、第2次大戦敗戦後の日本の英文学研究という空間とある種のリトル・マガジン『あるびよん』を結節点とするアカデミックなネットワークにおいて、帝国アメリカや冷戦に歴史的に規定され日本に翻訳・移動された「英文学」と大学制度の問題を論じた「ポスト帝国の「英文学」とG・S・フレイザー――「現代的問題」としての「現代の英文学」の発明」を、日本ヴァージニア・ウルフ協会3月例会において、大谷伴子と共同発表した。 これらの成果は、その前過去4年の成果とともに、『変容する「英文学」と映像文化のポリティカル・エコノミー』、ならびに、教育空間や英語文学・異文化理解等の教科科目に関連する教材テクストとして、出版・発表する予定である。
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