2017 Fiscal Year Annual Research Report
The Transatlantic Slave Trade and Orientalism in African American Literature
Project/Area Number |
25370290
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Research Institution | Tsuru University |
Principal Investigator |
中地 幸 都留文科大学, 文学部, 教授 (50247087)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ジャポニスム / アフリカ系アメリカ文学 / 英語俳句 / シノワズリー / プリミティヴィズム / モダニズム / 大西洋奴隷貿易 / オリエンタリズム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はアフリカ系アメリカ文学における東洋趣味(ジャポニスムやシノワズリー的要素)と奴隷貿易の影響を探るものである。本年度はスペインのマラガで行われたCAAR(The Collegium for African American Research)学会において "Richard Wright and the American South"という題目で発表を行った。これは2016年に出版されたVirginia Smith教授が編集された研究書の執筆メンバーによるパネルで、ライトの俳句がいかにアメリカ南部の人種問題を歌い上げているかという問題について発表した。またこの機会に奴隷貿易とかかわったスペインの都市をめぐり、海洋博物館を中心に、大西洋奴隷貿易関連の資料を収集をした。また8月末から9月にかけて、オランダに調査に行き、大西洋貿易関連や長崎などとの貿易関連の資料、またジャポニスムやシノワズリーなどを中心とした東洋美術の受容を中心に調査を行った。10月には日本ウィリアム・フォークナー協会の招待でパネル講演を行った。フォークナーが取り上げる人種問題とコリア系アメリカ文学のChang-Rae Leeの作品を扱い、両者をつなげる努力した。ここで発表した論文では、ブラック・アトランティックの概念をどのように太平洋を舞台とした20世紀アジア系アメリカ文学に転用しうるかを考察した。12月に勉誠出版から『日本文学の翻訳と流通』が出版され、その中に「反転するまなざしーヨネ・ノグチの日本文学・文化論」を発表した。これは、日本文学や文化がどのように西洋に発信されたのかを考察することにより、東洋文化の受容を考える論考であり、とりわけ俳句受容を考える上での問題をいくつか考察することができた。
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