2014 Fiscal Year Research-status Report
16世紀~19世紀イギリスの「博物誌」と「知」の分配における「公平性」
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25370306
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Research Institution | Shirayuri College |
Principal Investigator |
荒木 正純 白百合女子大学, 文学部, 教授 (80015883)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 幸子 高崎健康福祉大学, 人間発達学部, 講師 (10575103)
吉原 ゆかり 筑波大学, 人文社会科学研究科(系), 准教授 (70249621)
中井 理香 立正大学, 文学部, 准教授 (80366947)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 博物学 / 啓蒙思想 / 百科事典 / ゴシック |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、韓国、アメリカ、イギリス、日本の研究者を集め、国際学会 Robinson Crusoe in Asia (9月19日~21日、筑波大学)を企画、発表を行い、海洋冒険文学と博物学的知の枠組みの発展について考察を行った。イギリス冒険小説の大きな影響下にあった、19世紀日本の海洋実録冒険小説における博物学的知の発展について調査した。 一方、17世紀演劇、とりわけシェイクスピア作品が、どのような経緯を経て、イギリスのみならず現代日本において啓蒙されてきたのかについても、研究を進め、公開講座を行うとともに、台湾で研究発表を行った。 また、博物誌の実態および啓蒙思想を育んだ知的風土をそれぞれ論考した。「博物誌」については、18世紀以降の食文化をめぐる文献、画集、辞書を収集し、それらを元に学会報告をした。啓蒙思想による「知の公平性」に関しては、購入した英文学百科事典、さらにデータベースを活用してゴシック・ロマンスを材料に論文を作成した。 さらに、『日本における「森のひと」受容誌』の第2校まで進展した。この著書は、「森のひと」(オランウータン)が中国伝承の動物「猩々」の訳語を獲得するに至った経緯と、その後の明治期におけるその訳語の使用例とその反応などを扱っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
各研究者が、それぞれの担当にしたがって研究を進め、研究発表・公開講座を開催することができた。18世紀イングランドにおいて「知」がいかに整理され、19世紀の日本において、それらの「知」がいかに受容されたのかを追求した。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、最終年度として、これまでの研究成果を集約する。具体的には、10月までに何度か研究会を行い、その成果を、3月までに報告書としてまとめる。
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Causes of Carryover |
平成26年度3月に開催予定だった、研究報告会が次年度開催に変更になり、旅費や人件費とともに、研究協力者の招聘・謝金の支払いがなされなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度9月に、一般公開の研究報告会を開催する。それにともなう旅費と準備のための人件費、さらに研究協力者らの招聘費、謝金によって助成金を使用する。
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Research Products
(5 results)