2013 Fiscal Year Research-status Report

『ドラキュラ』と心霊主義・心霊研究に関する新歴史主義的研究

Research Project

Project/Area Number	25370313
Research Category	Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
Research Institution	Hosei University
Principal Investigator	丹治愛法政大学, 文学部, 教授 (90133686)
Project Period (FY)	2013-04-01 – 2017-03-31
Keywords	『ドラキュラ』 / 心霊主義 / 心霊研究 / ブラム・ストーカー
Research Abstract	研究初年度の本年度は、心霊主義・心霊研究のビブリオグラフィを作成しながら、日本各地の大学図書館（Proceedings of the Society for Psychical Researchを所蔵する東北大学、Journal of the American Society for Psychical Researchを所蔵する愛媛大学など）を回って、関連資料を調査、閲覧、複写し、その一部を読解した。また、『ドラキュラ』の再読を進め、心霊主義・心霊研究（幽霊、テレパシー、幽体離脱など）、心理学（無意識、ヒステリー、催眠術など）といったいくつかのテーマにそってＡ４で４０頁ほどになる詳細なノートを作成した。これが今後の研究の資料となるはずである。さらに、そのノートに基づいて、心霊研究と心理学のモティーフが『ドラキュラ』のなかで果たしている役割についての論文のアウトラインを作成した。実際に論文を書きはじめるまでには至らなかったが、２６年１１月に開催されるヴィクトリア朝文化学会での特別講演でこのテーマについて講演することが決定したので、なるべく早い時期に書きはじめ完成させたい。
Current Status of Research Progress	Current Status of Research Progress 2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned. Reason 東北大学の図書館が３月まで改修工事中だったので、一部に閲覧できない資料があったことと、それでも収集した資料が大量だったので、資料の読解に手間取っていることが、予定どおりに行かなかった点である。しかし、『ドラキュラ』のテクストの詳細なノートをあらためて作成し、それにそって心霊研究と心理学といったテーマが『ドラキュラ』のなかでどのような役割を果たしているかについての論文のアウトラインを作成できたので、おおむね順調に進んでいると判断している。
Strategy for Future Research Activity	収集した資料の読解を精力的に進めながら、作成した『ドラキュラ』論のアウトラインにそって、心霊研究と心理学といったテーマが『ドラキュラ』のなかでどのような役割を果たしているかについての論文を完成させたい。そのうえで、その論文をヴィクトリア朝文化学会での特別講演で口頭発表するとともに、活字にしたいとも考えている。
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding	複写資料を読むことに時間をとられたため、結果的に図書を買うことが少なくなった。論文作成に必要となる『ドラキュラ』関連の図書、心霊主義・心霊研究関連の図書、心理学関連の図書購入にあてたい。