2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25370321
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
田口 哲也 同志社大学, 文化情報学部, 教授 (00145103)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CROSS R・J. 同志社大学, グローバル地域文化学部, 教授 (70278464)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | アジア系英国人 / 9・11 / 人種関係 / ポストコロニアリズム / グローバル化 / 現代英文学 / 英国映画 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は25、26年度の研究成果を踏まえ、1つの国内での学会発表、2つの国際学会に於ける発表を行い、また、1本の学術論文を公表した。補助事業期間での公刊は間に合わなかったが、これまでの研究成果をひとつの知見として纏め、書籍の形での公表の準備に取りかかっている。以下、これらの研究成果についての具体的な報告を行う。 研究代表者の田口は20世紀の大戦間のコスモポリタン意識、第2次世界大戦後の政治的ポスト・コロニアリズム、9.11以後の多文化社会の変遷を現代英文学に関連づけて、日本エズラ・パウンド協会で講演を行った。分担研究者のロバート・クロスは過去2年間の調査結果を研究代表者の田口と共同で吟味し、理論構築を行った上で、2つの国際学会で発表を行った。イスタンブールでの国際学会では Sandhya Suri の "I for India" を中心的に取り上げ、移民社会における第1世代と第2世代のアイデンティティーの相違の原因を特定した。またインドでの発表では英国アジア系文学や映画作品に於ける2世代間のアイデンティティーの対立を止揚する方法としてオーラル・ヒストリーの有効性について分析を加えた。2世代間には識字力や同性代との共生経験などが根本的に異なっているために、誤解や対立が生じる。移民社会の世代間のアイデンティティ上での対立を緩和し、ホスト国の移民社会への融合をどのように推進できるかは、ホスト国の教育政策や文化政策による対応の仕方によって大きく変わってくるという結論付けをした。
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Research Products
(5 results)