2016 Fiscal Year Annual Research Report
Graham Greene's Literature in the Postwar Media Politics
Project/Area Number |
25370329
|
Research Institution | Shikoku University |
Principal Investigator |
阿部 曜子 四国大学, 文学部, 教授 (60294732)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | イギリス文学 / グレアム・グリーン / 冷戦 / メディア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、20世紀をほぼ駆け抜けたグレアム・グリーンが、第二次世界大戦後から冷戦期にかけてのメディアとどのように関わってきたかを、新聞や雑誌等にグリーンが寄せた記事やその反響を同時期に書かれた作品と共に分析・検証することにより、激動期の政治情勢下におけるメディアと文学のインタラクティブな関係を考察するものである。平成28年度には、Andrew Hammond (ed.), Cold War Literature 等、冷戦期における英米文学・文化に関する文献を読みつつ、1950年代後半から1960年代半ばまでの、キューバをめぐってのグリーンの言説とキューバを舞台にした作品 Our Man in Havana(1959)の分析を中心にまとめた。具体的には以下のとおりである。 1.四国大学言語文化研究所の月例会において冷戦時代の文学や映画が当時のイデオロギーの中でどのように読まれていたかなどについての発表を行い、『言文研通信』にまとめて報告した。 2.「キューバ革命」や「キューバミサイル危機」をめぐっての1960年前後のグリーンの新聞や雑誌等メディアにおける言説を調べるために、イギリス、ロンドンの大英図書館に出向き、文献収集を行った。 3.2で集めた資料に基づきOur Man in Havanaを再読・分析し、日本英文学会中国四国支部第69回大会(於:愛媛大学)にて「グレアム・グリーンと冷戦下のキューバ― Our Man in Havana を中心に」という標題の研究発表を行った。 4.3で行った発表をプロシーディングとしてまとめ、日本英文学会中国四国支部に提出した。
|
Research Products
(3 results)