2016 Fiscal Year Research-status Report
世界文学としてのアンデルセン『人魚姫』の超領域的研究と教養教育への応用モデル
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25370374
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
中丸 禎子 東京理科大学, 理学部第一部教養学科, 准教授 (50609287)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川島 隆 京都大学, 文学研究科, 准教授 (10456808)
加藤 敦子 都留文科大学, 文学部, 教授 (40625448)
田中 琢三 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 助教 (50610945)
兼岡 理恵 千葉大学, 大学院人文社会科学研究科, 准教授 (70453735)
中島 亜紀 (西岡亜紀) 立命館大学, 文学部, 准教授 (70456276)
秋草 俊一郎 東京大学, 教養学部, 講師 (70734896)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 異界 / 異文化比較 / 高畑勲 / メディア |
Outline of Annual Research Achievements |
2016年度は、1.「お茶の水女子大学比較日本学教育研究センター 第18回国際日本学シンポジウム イメージと伝達の国際日本学 <セッションⅠ> 異界との交流」における口頭発表と同センター紀要論文の執筆、2.書籍『高畑勲論集』(仮)の準備を中心に研究を進めた。 1.シンポジウム「異界との交流」は、毎年一般公開される「比較日本学教育研究センター 国際日本学シンポジウム」の枠内で、研究分担者・田中琢三(お茶の水女子大学)を中心に進めた企画である。田中の司会のもと、研究分担者で日本文学を専門とする兼岡理恵および加藤敦子、研究代表者で北欧文学を専門とする中丸禎子が口頭発表を行った。また、「異類婚」について多数の著書がある篠田知和基(フランス文学)、韓国から高永爛(日本文学)を招聘した。シンポジウムでは、異なる言語の文学研究者が協同し、共通テーマ「異界との交流」について多角的な考察をすることができた。口頭発表をまとめた論文および田中による総括は、『比較日本学教育研究センター研究年報』第13号掲載論文として刊行された。 2.『高畑勲論集』(仮)は、映画監督・高畑勲を招いて一般に公開したシンポジウム「高畑勲の《世界》と《日本》」(2015年9月1日、於:東京理科大学神楽坂キャンパス)の成果を中心に、高畑作品、および関連する文学・文化を扱う論集である。シンポジウムにより、高畑作品が、東西比較、図像表現、メディア、文学カノンなど代表者・分担者が関心を共有するテーマを多く内包することが明らかになった。異なる言語のみならず、異なるテーマを、畑作品を軸に連動させるため、2015年度下半期以降、代表者・分担者・招聘研究者による『高畑勲論集』(仮)の刊行を目指している。その準備として、執筆者による口頭発表会を順次開催中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
お茶の水女子大学シンポジウムおよび『年報』掲載論文により、当科研は、中丸禎子・川島隆・田中琢三「「人魚」文学を扱う授業の実践報告―多言語文学間の共同研究と教養教育への還元モデル」(日本独文学会秋季研究発表会、2014年10月12日、於:京都府立大学)に続き、広く一般に向けて共同で成果を公開することができた。アンデルセン『人魚姫』と関連する「異界」というテーマのもと、当初は予定していなかった外部研究者(篠田・高)とも連携することができた。 高畑勲を招いたシンポジウムおよび論集の刊行は、当初の研究計画になかったが、当科研の目的である「超領域的研究」に合致し、当初予定した「教養教育」より広く一般に研究成果を伝達することが期待される。論集の刊行準備としては、2016年度までに、代表者の中丸禎子、分担者の川島隆と田中琢三、招聘研究者として縄田雄二(中央大学)、ちばかおり(日本ハイジ児童文学研究会)、佐藤宗子(千葉大学)、中野貴文(東京女子大学)の口頭発表、高畑とともに『ハイジ』『母をたずねて三千里』等を製作したプロデューサーの中島順三とキャラクターデザインの小田部羊一を招いた座談会を終えており、おおむね順調に進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
2017年度は、『高畑勲論集』(仮)刊行に向けて準備会を進めていく。上半期に分担者の加藤敦子、兼岡理恵、西岡亜紀、招聘研究者の井上征剛(山梨英和大学)、鈴木彰(立教大学)が口頭発表を行い、2016年口頭発表者も含め、各自が論文を執筆する。編集作業は、中丸、加藤、兼岡、田中が共同で行う。
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Causes of Carryover |
当科研の研究会は、夏季休業中及び春季休業中に開催しているが、校務や進捗状況により、2016年度に『高畑論集』(仮)執筆者全員が口頭発表を行うことができなかった。このため、招聘執筆者の交通費・宿泊費・謝金を次年度に使用することとなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2017年度に、招聘研究者の井上征剛(山梨英和大学)、鈴木彰(立教大学)に口頭発表を依頼し、交通費・宿泊費・謝金として支出する。
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Research Products
(19 results)