2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25370395
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大木 康 東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (70185213)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 中国 / 近世 / 明清 / 音楽 / 歌唱 / 演劇 |
Outline of Annual Research Achievements |
中国の明末清初期を中心とする歌唱文化を、従来のように音楽は音楽、演劇は演劇、そして歌詞を扱う文学は文学と分野を分断するのではなく、当時の歌唱文化の全体像を明らかにしたいというのが、本研究の目的である。研究実績として、以下の関連する論文の執筆が挙げられる。 ①英文の論文“Wanton, but not Bad: Women in Feng Menglong’s Mountain Songs” は、Brill より刊行予定のWanton Women in Late Imperial Chinese Literature: Models, Genres, Subversions and Traditionsのために執筆し、すでに原稿を送付済みであったが、出版にあたっての審査に通り、2016年のうちに刊行の予定である。馮夢龍の民間歌謡集『山歌』に見える「奔放な」女性像の検討をおこなった。 ②英文の論文“An Index to Memories of the Ming: Poetic Exchanges on Early Qing Female Entertainers”を、2015年4月にアメリカのアリゾナ州立大学で開催の“To Remember, Re-member, and Disremember: Instrumentality of Traditional Chinese Texts”と題するシンポジウムでの基調報告として発表した。明代に盛んであった女性の楽隊が、明王朝への思慕と結びついていたことを指摘した。 ③台湾の中央研究院中国文哲研究所との合同国際シンポジウム「世界の中の中国明末清初」を開催し、「馮夢龍「三言」中的「世界」」と題して報告を行った。その論文は2015年末に完成し、現在出版の準備中である。 明清当時の歌唱文化が、当時の文人たちの精神世界において占めていた重要性を明らかにした。
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Research Products
(10 results)