2013 Fiscal Year Research-status Report
戦時上海のメディア『新申報』と『大陸新報』の比較――陶晶孫の言語選択
Project/Area Number |
25370408
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
中村 みどり 早稲田大学, 商学学術院, 准教授 (30434351)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 留学生 / 日中戦争 / 占領 / 文化政策 / メディア / 言語 |
Research Abstract |
2013年度は、主に本研究の基本資料の収集を行った。日中戦争勃発後、上海で日本軍部の資金により刊行された中国語新聞『新申報』(1937年10月創刊、1939年に大陸新報社発行となる、1945年8月停刊)と日本語新聞『大陸新報』(1939年1月創刊~1945年9月停刊)のマイクロフィルム資料に目を通し、当時の日本の文化政策・留学生政策に関する記事、陶晶孫自身が書いた文章および関連記事の収集を行った。 『新申報』に関しては、中国に出張し、北京の国家図書館と上海図書館所蔵のマイクロフィルムの調査を行った。その成果として、マイクロフィルム全22巻分の同紙の創刊から停刊までの全紙に目を通し、紙面の傾向及び紙面の変化について理解することができた。また陶晶孫自身が執筆した文章のみならず、彼を含めた日本占領下の上海の知日派中国知識人が関与した政治・文化活動に関する記事、日本の文化政策・留学生政策に関する記事を収集し、このうち、陶晶孫の文章については、資料を整理し、目録を作成した。 同じ情況下で刊行された日本語新聞『大陸新報』(1939年1月創刊~1945年9月停刊)については、日本国内で全23巻(別巻2巻)のマイクロフィルムが復刻されているため、それを利用して同紙に掲載された陶晶孫の文章と陶晶孫関連の記事の収集を行った。また同紙に関する先行研究の文献収集を行った。 そのほか、中国の陶晶孫研究の第一人者である北京外国語大学教授の厳安生と連絡を取り、研究の動向について伺った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2013年度は、本研究の基本資料である中国語新聞『新申報』(1937年10月創刊~1945年8月停刊)と日本語新聞『大陸新報』(1939年1月創刊~1945年9月停刊)のマイクロフィルム資料の閲覧と関連資料の収集を目的とし、その目的をほぼ達成することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の基本資料である中国語新聞『新申報』に関しては、全紙に目を通し、紙面の傾向及び紙面の変化について理解することができ、また必要資料を収集することができた。一方、日本語新聞『大陸新報』に関しては、陶晶孫に関する資料をスポット的に収集したのに留まるため、引き続き全紙に目を通すようにしたい。また、これまで収集した資料の整理を進めると同時に資料を精読し、2014年度中に途中成果をまとめて研究発表を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
『新申報』のマイクロフィルム資料購入を予定しており、上海図書館では実際にマイクロフィルム資料の一部を購入できたが、北京の国家図書館では予定していたマイクロ資料の購入が不可能(販売サービスがない)であったため、その分の予算が残高となっている。また基本資料の収集を優先したため、先行研究に関する文献と書籍の購入が後回しとなってしまった。 上海図書館でのマイクロフィルム購入費、およびマイクロフィルムのデジタルデータ化費用に使用する予定である。また先行研究に関する文献と書籍の購入に充てたい。
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Research Products
(1 results)