2017 Fiscal Year Annual Research Report
A extended Study of Modality in French and Japanese
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25370422
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
渡邊 淳也 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (20349210)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | フランス語 / 日本語 / ロマンス諸語 / モダリティ |
Outline of Annual Research Achievements |
この年度は、(1)フランス語の sujet という概念、ならびにそれと関わる、言語にあらわれる認知モード、アフォーダンスの問題、(2)移動動詞の文法化・語用論化、(3)連結辞の語用論化、(4)未来諸時制の時制・叙法体系における位置づけについて研究した。 (1)については、sujet が高度に関係的な概念であり、日本語の「主語」、「主体」、「主観」などの実体的な概念とは異なることを『フランス語学の最前線』第5巻所載論文で示した。また、前年度まで主に動詞論の領域で明らかにしてきたフランス語の認知モードの特徴を、名詞、形容詞などの語彙にも拡張し、アフォーダンス的な特徴をおびていることを日本ロマンス語学会大会での口頭発表で述べた。(2)については、フランス語および西ロマンス諸語における「行く」型移動動詞の文法化の相違を論文集『構文の意味と拡がり』で明らかにした。(3)については、フランス語の連結辞 ceci dit、cela dit、日本語の「とはいえ」、「といっても」の語用論化を対照し、名古屋大学における国際シンポジウムで発表した。(4)については、フランス語とロマンス諸語における対応形式の対照研究をおこなった。また、日本ではじめてのコルシカ語の文法書を公刊した。 研究計画最終年度にあたるため、総括的な作業をおこなった。公開講演会1回、学内研究会5回を実施し、これまでの総まとめとして、論文集『諸言語におけるTAMEの発現について』を編集し、刊行した。
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Remarks |
2018年3月20日から3月28日まで、欧州連合の予算「エラスムス・プラス」でフランシュ=コンテ大学(フランス共和国ブザンソン市)に招待され、本研究課題に関係する16時間の集中講義を担当した。
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Research Products
(8 results)