2014 Fiscal Year Research-status Report
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25370449
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| Research Institution | Kansai University |
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Principal Investigator |
大久保 朝憲 関西大学, 文学部, 教授 (60319605)
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2013-04-01 – 2017-03-31
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| Keywords | アイロニー / ポリフォニー理論 / 婉曲語法 / ポライトネス / ほめごろし / 国際情報交換 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
2014年4月より、所属大学の在外研究制度を利用し、9月いっぱいまでの6か月間、フランスの社会科学高等研究院 (EHESS、パリ）の研究員として研究活動に従事し、この期間に後述の３つの国際シンポジウムで発表したほか、EHESS内での研究会での研究発表をおこなった。帰国後は、その研究成果をまとめた論文を上梓すると同時に、国内学会での研究発表を２回おこなった。
具体的には、本研究のアイロニーに対するアプローチが、ほかの関連する修辞的語法とどのように関連するかということについての理論的体系化を、おおきくすすめることができたのではないかと自己評価している。特に、アイロニーとポライトネスによる婉曲的な表現が、理論上対概念のような性格づけにより記述できることは、特筆すべき成果であった。
また、今年度は、上記の研究の展開のために、論証的ポリフォニー理論を本研究者独自の視点から修正してゆくことも積極的におこなった。この理論の提唱者であるCarelは、自らの研究ではほぼこれを放棄してしまっているが、本研究者は用語法とその定義を修正し、これがまだまだ有効な理論として言語現象の分析に寄与するものであることをしめしたつもりである。
さらに、本研究の発展的展開の可能性として、政治演説のディスコースやポピュラーソングの歌詞などをデータとしてとりあげ、いわゆる「ほめごろし」のディスコースがアイロニーの特殊な実現型であることを指摘することができた。これについては、今後さらなる理論的精緻化が必要であるものの、本研究の「応用」的側面についての重要な一提案になるものであると認識している。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
身内に不幸があったことにより、その前後の期間も研究活動は継続したものの、予想以上の時間を上記事由のためにさかねばならなかったことによる。
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| Strategy for Future Research Activity |
2015年度は、当該年度までの成果の理論的整合性を精緻化する作業と、その成果をよりおおきなコーパスにもとづいて検証する作業を中心におこなうと同時に、当該年度でひろがりをみせた研究範囲についての文献を批判的に検証、精査しながら、本研究にとりいれてゆきたい。また、当該年度までにとりあつかったデータが、日本語、英語を中心とするものであったので、今後はフランス語のデータも積極的にとりいれることをめざす。
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| Causes of Carryover |
学内の在外研究制度を利用して上半期はフランスに滞在することができ、当該制度の旅費を使用することで科研費からの旅費の使用額がすくなくてすんだ。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
参加予定の国内学会が今年度は増加することが予定されており、11月に外国出張（学会発表）がはいることも決定しているので、旅費を中心に使用されることになる。またコーパスの購入にも使用したい。
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