2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25370450
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Research Institution | Kansai Gaidai University |
Principal Investigator |
鈴木 保子 関西外国語大学, 外国語学部, 准教授 (00330225)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | サンスクリット語 / 子音変化 / 子音結合 / 半母音 / 重子音化 / RUKI / 中期インド・アーリア語 / 同化 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は前年度執筆した下記1の論文の最終段階での修正および校正をしたが、大半の時間をサンスクリット語歯擦音のそり舌化の研究に費やし、下記2の論文を執筆した。 1.論文 On characterizing Sanskrit gemination. 平成27年9月(10月)(投稿は同年4月)『関西外国語大学研究論集』第102号 pp. 1-18 (概要)サンスクリット語の重子音化は、先行研究では単一の過程であるという前提で音節構造に基づいた分析がされてきたが、例外があるのみならずサンスクリット語重子音化の特異性が十分に説明できない。多様性・特異性を示すこの現象は、主に子音連続による音声的な要因が背景にある複合的なもので、もともと単一の過程ではなく複数の異なる重子音化の過程が融合したものであると解釈することが妥当である。 2.論文(審査中)Sanskrit RUKI revisited.『関西外国語大学研究論集』第104号 平成28年9月(採用時予定) (概要)前インド・アーリア語で歯擦音sがrとk、a以外の母音の後でそり舌歯擦音に変化したが、この一見自然類をなさないような環境が問題視されてきた。そり舌化を引き起こすr, u, k, iという4つの音はいずれも調音点で歯茎より後という共通点がある。他方、リグヴェーダでは子音の後の位置では変化が規則的であるのに対して高母音の後では動詞の重複形などにかなりの不規則性があったり句レベルでも適用したりと多様性が見られる。また、一般的にr, uはそり舌化を引き起こすことが多いのに対してi, kはそうではないなど、それぞれが通常隣接する子音の調音点に与える影響の種類も異なり、この現象は元はr, u, k, iそれぞれが条件となった個別の歯擦音の後退が最終的にそり舌音となったものとみなすべきである。
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Research Products
(1 results)