2013 Fiscal Year Research-status Report
現代ロシア語名辞類の語形変化型とアクセント型に関する総合的研究
Project/Area Number |
25370462
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
臼山 利信 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (50323225)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 現代ロシア語 / 名詞 / 形容詞 / 語形変化型 / アクセント型 |
Research Abstract |
本研究の主な目的は、現代ロシア語の名詞及び形容詞などの語形変化型とアクセント型の全体像を明らかにし、語形変化型とアクセント型との相関性の有無を確認することにある。また研究成果をロシア語教材等に反映させることである。 平成25年度はロシア語名詞の語形変化型を類型化する準備作業として、『ロシア語詳解辞典』(2003,S.I.オジェコフ,N.Yu.シュベドヴァ)に記載された約2万語の名詞の数量的分析結果(稲森2007)に基づき、その成果の一部を共同論文として発表した。 整理した重要な点は次のとおりである。①男性名詞は名詞全体の50%、女性名詞が32%、中性名詞が13%、両性名詞1%、複数名詞が4%である。②男性名詞は6つのタイプ(1.子音字で終わる,2.-ьで終わる,3.-а/-яで終わる,4.-еで終わる[подмастерье 1例のみ],5.形容詞男性形の形式を持つ,6.不変化名詞である)に分類できる。③女性名詞は4つのタイプ(1.-а/-яで終わる,2.-ьで終わる,3.形容詞女性形の形式を持つ,4.不変化名詞である)に分類できる。④中性名詞は4つのタイプ(1.-о/-еで終わる,2.-мяで終わる,3.形容詞中性形の形式を持つ,4.不変化名詞である)に分類できる。⑤男性・女性の両性名詞は2つのタイプ(1.-子音字で終わる[экскурсовод 1例のみ],2.-а/-яで終わる)に,男性・中性の両性名詞は1つのタイプ(1.-оで終わる[страшило 1例のみ])に分類できる。⑥-ьで終わる男性名詞及び女性名詞は名詞全体の7.6%である。⑦-ьで終わる男性名詞は男性名詞全体の14.7%である。⑧-ьで終わる女性名詞は女性名詞全体の12.9%である。⑨-ьで終わる女性名詞は-ьで終わる男性名詞よりも若干多い。⑩-аで終わる女性名詞は-яで終わる女性名詞よりも4倍多い。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現代ロシア語の名詞タイプの全体像をほぼ掴めてきているが、語形変化型の整理がまだ終わっていない。さらにアクセント型の整理も不完全である。まず名詞タイプの生産性のあるグループに絞った語形変化型とアクセント型を詳細に類型化したいと考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
データベース構築作業に当たるアシスタントスタッフとともに作業効率をあげる方法を検討中であるが、ノルマ設計を精緻化することを推進方策の一つとして考えている。さらに、学会や研究会等での発表の機会を増やすことで、研究成果の整理を活発に進めていきたい。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額のうち、約20万円については、3月の国際学術会議出席のための出張旅費として支出が確定している。残りの額については、国内学会等のための出張旅費として使用する予定であったが、主催者負担となったため、未使用となった。 平成26年度にロシア語名詞及び形容詞のデータベース構築を加速化するために短期雇用者を雇う予定であり、その費用にあてる。
|