2014 Fiscal Year Research-status Report
現代ロシア語名辞類の語形変化型とアクセント型に関する総合的研究
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25370462
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
臼山 利信 筑波大学, 人文社会系, 教授 (50323225)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 現代ロシア語 / 名詞 / 形容詞 / 語形変化型 / アクセント型 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の主な目的は、現代ロシア語の名詞及び形容詞などの語形変化型とアクセント型の全体像を明らかにし、語形変化形とアクセント型の相関性の有無を確認することである。 平成26年度は、ロシア語名詞と形容詞の語形変化などを類型化するための作業として、『ロシア語詳解大辞典』(2003, S.A.クズネツォフ編,サンクトペテルブルグ)に記載されている全名詞の35388語に関するデータベースを構築した。その結果、『ロシア語詳解辞典』(2003, S.I. オジェゴフ,N.Yu.シュベドヴァ,モスクワ)に記載されている全名詞の19256語のデータ(稲森2007)との数量的な比較が可能となった。さらに、『ロシア語詳解辞典』(2013, 4 S.I. オジェゴフ,N.Yu.シュベドヴァ,モスクワ,第4版)に掲載されている全形容詞の15972語に関するデータベースを構築した。このデータベースに基づき、数量的に分析した結果、①全15972語の形容詞のうち硬変化型形容詞が95.8%(15300語)を占めること、②全15972語の形容詞のうち軟変化型形容詞が2.4%(385語)にすぎないこと、③全15972語の形容詞のうち不変化形容詞が0.03%(41語)にすぎないこと、④硬変化型形容詞の全15300語のうち3154語がновый型で73%を占めること、⑤軟変化型形容詞の全385語のうち266語がхороший型で69.1%を占めることなど、学術的に価値のある数多くの事実が判明した。 データベース化したロシア語名詞の統計的な数値については、新たに開発したロシア語教育教材の中に反映させた。したがって、ロシア語教育の分野にも貢献する研究成果をあげることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ロシア語の名詞及び形容詞のデータベース構築作業が終了し、語形変化型とアクセント型の整理の見通しが立った。また成果の一部をロシア語の教材に反映させることができた。その意味で最新の研究成果をロシア語教育の現場で活用することが可能となった。
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Strategy for Future Research Activity |
すでに構築したデータベースに基づき、語形変化型の分類とアクセント型の分類を行い、相関性の有無について検証する作業を行う。次年度は本研究課題の最終年度になるので、国内外の研究学会などで成果を積極的に発表していく予定である。
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Causes of Carryover |
3月にロシア・タジク・スラヴ大学(タジキスタン共和国、ドシャンベ市)において開催された国際学術会議「文明のクロスロード12─言葉・文化・社会の様相─」に基調講演者として参加し、発表を行ったが、その出張経費が当初の予定よりも少なくなったため、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
最終年度である平成27年度は、国内外の研究学会などで研究成果を積極的に発表する予定であり、当該の次年度使用額については研究発表などを目的とする国内出張費用にあてる計画である。
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