2015 Fiscal Year Annual Research Report
現代ロシア語名辞類の語形変化型とアクセント型に関する総合的研究
Project/Area Number |
25370462
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
臼山 利信 筑波大学, 人文社会系, 教授 (50323225)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 現代ロシア語 / 名詞 / 形容詞 / 語形変化型 / アクセント型 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の主な目的は、現代ロシア語の名詞及び形容詞などの語形変化型とアクセント型の全体像を明らかにし、語形変化形とアクセント型の相関性の有無を確認することである。 最終年度の平成27年度は、『ロシア語詳解辞典』(2013,モスクワ)の形容詞データベース(全15972語)に基づく形容詞研究が大きく進展した。具体的には、①形容詞長語尾形の硬変化型(15300語)と軟変化型(385語)のすべてにおいてアクセント移動がないこと、②短語尾形を形成する形容詞が22.3% (3564語)を占めること、③男性短語尾形を持つ形容詞(3544語)の54.6%(1935語)で出没母音が存在すること、④出没母音が出現する形容詞の94.6%(1831語)が-енという語尾を取ること、⑤短語尾男性形・女性形・中性形・複数形の全ての語形形成が可能な形容詞が3322語存在すること、⑥形容詞短語尾形にはI型(アクセントは常に語幹)・II型(男性形は語幹、それ以外は語尾に移動)・III型(女性形のみが語尾に移動、それ以外は語幹)・IV型(アクセント移動の揺れが存在し、7つに分類することが可能)という大きく4つのアクセント型が存在すること、⑦アクセント型の比率ではI型が90.2%(2996語)を占め、II型が0.9%(31語)、III型が2.7%(89語)、IV型は6.2%(206語)であること、⑧II型では1~3音節語幹の形容詞が9割(29語)以上を占めること、⑨III型では単音節語幹の形容詞が9割以上(82語)を占めること、⑩IV型では単音節語幹の形容詞が8割以上(175語)を占めることなど、学術的にも実用的にも意義のある事実が判明した。 上記の成果の一部は、国際ロシア語ロシア文学会世界大会で発表した他、NHKラジオまいにちロシア語入門編(2015年8月号)「サバイバルロシア語」のテキストの中で活用した。
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