2015 Fiscal Year Annual Research Report
ルクセンブルク語地域変種の文章語での使用に関する研究
Project/Area Number |
25370472
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
田村 建一 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (90179896)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ルクセンブルク語 / ヴィルツ方言 / クレルヴォー方言 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、ルクセンブルク語の標準化が進展し、標準語の文章語での使用が増加しているが、その一方で、地域変種(以下、方言)も話し言葉においては現在でもよく用いられており、また文章語の中にすら用いられる場合がある。本研究は、方言がよく保持されている北部地域に的を絞り、平成25年度および26年度に方言話者に対する聴き取り調査を実施した。 調査では、被調査者の過去から現在に至るまでの言語生活一般、特に方言の使用状況や、その文章語での使用について訊ね、また先行研究から得られた最も顕著な北部方言の特徴の使用についても確認した。調査から以下のことが明かになった。被調査者は、ほぼ全員が生活の多くの場面で方言を使用し、私的なメールも方言で書く。特に二人の若い女性教員は、勤務先の小学校や幼稚園で、同僚に対しても児童や幼児に対しても方言で話しかけ、また保護者宛ての文書も方言で書く。文章語としての方言使用に関しては、この他に市民音楽クラブ内の文書やヴィルツ市のお祭りのパンフレットでも使われ、さらに北部地域の文化を扱う季刊誌にも方言で書かれた記事が掲載される。 多言語社会であるルクセンブルクにおいては、フランス語やドイツ語による文書が公的な性格をもち、ルクセンブルク語は私的な領域の文章語として使用される傾向が強い。そうした状況の中で、読者に対して親密さを示すために、標準語ではなく、普段使用する方言が文章語にも用いられると考えられる。 最終年度には、聴き取り調査の結果と、調査を通して入手した方言による文書類の分析結果を、日本独文学会で発表し、また二つの論文にまとめた。
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Research Products
(3 results)