2015 Fiscal Year Annual Research Report
バントゥ諸語における名詞修飾形式と意味関係に関する記述言語学的研究
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25370475
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
米田 信子 大阪大学, 言語文化研究科(研究院), 教授 (90352955)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | バントゥ諸語 / 名詞修飾構文 / 国際研究者交流 / タンザニア / ナミビア / ザンビア / 英国 |
Outline of Annual Research Achievements |
2015年度はこれまでの調査・分析のまとめの他、A.国際学会で成果発表、B.国際研究者交流、C.ザンビアでの現地調査、を行った。 A. 7月と8月に2つの国際学会での成果発表を行った。詳細は「学会発表」の欄を参照のこと。 B. 8月に海外研究協力者のLutz Marten氏(ロンドン大学教授)を招聘し、国内研究協力者とともに研究会を開催した。この研究会ではこれまで対象としてきたバントゥ諸語のデータの共有と今度の研究への発展の可能性について検討した。 C. 代表者の米田と研究協力者の牧野が9月にザンビアでの現地調査を行い、ベンバ語、ララ語、トンガ語、ニャンジャ語のデータを収集した。多くのバントゥ諸語に類似した構造の名詞修飾節が存在するが、それらが修飾できる主名詞との意味関係の範囲は言語によって異なっている。昨年までの調査でバントゥ諸語の名詞修飾節の形式と意味関係には、①主名詞と修飾部の関係によって形式が異なる言語(ex.ヘレロ語)、②主名詞と修飾部の関係に関わらず同じ形式が用いられる言語(ex.ジャンビアニ語)、③どの関係も修飾できる形式と「内の関係」のみ修飾する形式の両方を持つ言語(ex.スワヒリ語)、④「内の関係」と「外の関係」だけでなく「内の関係」でも主名詞が修飾節の主語の場合とそれ以外の場合で異なる形式を用いる言語(ex.ケレウェ語)という4つのタイプが見つかっていたが、今回の調査の結果、新たに、⑤主名詞が修飾節の主語の場合のみ異なる形式が用いられ、それ以外は「内の関係」も「外の関係」も同じ形式が用いられる言語(ex.トンガ語)、という5つめのタイプの存在が明らかになった。この結果は、現在論文にまとめているところである。また2016年5月にロンドン大学のアフリカ言語学セミナー、6月にヘルシンキ大学で開催される第6回国際バントゥ諸語学会で発表することが決まっている。
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[Book] The conjoint/disjoint alternation in Bantu.2016
Author(s)
Koen Bostoen, Toni Cook, Denis Creissels, Maud Devos, Ines Fiedler, Hannah Gibson, Claire Halpert, Larry Hyman, Andriana Koumbarou, Nancy C. Kula, Sophie Manus, Lutz Marten, Yukiko Morimoto, Jean Paul Ngoboka, Ernest Nshemezimana, Jenneke van der Wal, Nobuko Yoneda, Jochen Zeller, Sabine Zerbian
Total Pages
印刷中
Publisher
Berlin: Mouton de Gruyter
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