2015 Fiscal Year Research-status Report
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25370485
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
田畑 千秋 大分大学, 教育福祉科学部, 教授 (60264321)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 沖縄諸方言 / 類型学研究会 / 中日理論言語学研究会 / 那覇市 / 南城市(久高島) / 中・日・韓比較文化研究国際学術シンポジウム |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究会】2015年4月、研究代表者田畑千秋と研究協力者松本泰丈、金子光茂は同志社大学大阪サテライト(大阪)で行われた中日理論言語学研究会に出席し、研鑽を積んだ(田畑、松本は研究発表)。2014年6月、田畑、松本、金子は同志社大学(京都)でおこなわれた類型学研究会に出席し、研鑽を積んだ(田畑、松本、金子は研究発表)。2015年11月、田畑、松本、金子は専修大学(東京)でおこなわれた類型学研究会に出席し、研鑽を積んだ。 【調査研究】2015年4月、田畑は長崎市在住沖縄方言保持者を訪問し、沖縄諸方言の語彙および文法を調査した。2015年4月、田畑は大阪市において大阪在住沖縄方言保持者を訪問し、沖縄諸方言の語彙および文法を調査した。2015年6月、田畑は京都市在住沖縄方言保持者を訪問し、沖縄諸方言の語彙および文法を調査した。2016年9月、田畑は福岡市在住沖縄方言保持者を訪問し、沖縄諸方言の語彙および文法を調査した。2016年1月、田畑、松本、金子は、沖縄県那覇市、沖縄県南城市(久高島)を訪問し、沖縄諸方言の語彙および文法を調査した。 【成果発表】2014年4月、田畑と松本は、中日理論言語学研究会において口頭発表した。田畑題「奄美諸方言の一人称複数および双数」、松本題「奄美語喜界島方言にあらわれるシアリ融合形の用法おぼえがき」。2014年6月、田畑、松本、金子は類型学研究会において口頭発表した。田畑題「北部琉球方言のハダカ格」、松本題「名詞ハダカ格をめぐって(おぼえがき)」、金子題「筑後柳川藩領瀬高方言の格表示」。2015年10月、田畑と松本は、第2回中・日・韓比較文化研究国際学術シンポジウムにおいて招待講演した。松本題「日本語空間表現の特徴から―奄美語を標準文章語と対照させながら―」。田畑題「美女に化ける豚―中国『捜神記』説話と琉球説話」。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
言語類型学、特に内容類型学の理論化について、2015年4月、同志社大学大阪サテライト(大阪)で行われた中日理論言語学研究会、2014年6月、同志社大学(京都)でおこなわれた類型学研究会、2015年11月、専修大学(東京)でおこなわれた類型学研究会で、学界諸氏と意見を交換、討議するなどして、内容類型学理論を進展させた。 沖縄諸方言の調査として、2015年4月、長崎市在住沖縄方言保持者、2015年4月、大阪在住沖縄方言保持者、2015年6月、京都市在住沖縄方言保持者、2016年9月、福岡市在住沖縄方言保持者を調査し、日本各地に在住する沖縄出身者の言語データを収集した。これは語彙、音韻、文法にまたがる総合的調査で、沖縄諸方言研究だけでなく、言語研究一般の進展にも大きく寄与する成果となる。2016年1月の沖縄県那覇市、沖縄県南城市では、特に久高島における語彙、音韻、文法に関する多くのデータを蓄積した。 研究成果は逐次口頭発表などをとおして学界に公開され、大きな評価を得ている。2014年4月、同志社大学大阪サテライトでの中日理論言語学研究会において「奄美諸方言の一人称複数および双数」(田畑)、「奄美語喜界島方言にあらわれるシアリ融合形の用法おぼえがき」(松本)を発表、各国の研究者が発表をもとに討議した。2014年6月、同志社大学での類型学研究会において、「北部琉球方言のハダカ格」(田畑)、「名詞ハダカ格をめぐって(おぼえがき)」(松本)、「筑後柳川藩領瀬高方言の格表示」(金子)を発表、現代琉球方言と九州方言の実態を発表して、討議の材料とした。2015年10月、中国・瀋陽航空航天大学での第2回中・日・韓比較文化研究国際学術シンポジウムに招待され講演した。松本題「日本語空間表現の特徴から―奄美語を標準文章語と対照させながら―」。田畑題「美女に化ける豚―中国『捜神記』説話と琉球説話」。
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Strategy for Future Research Activity |
2013年度~2015年度のまとめをし、データを積み上げ、最終年度の研究充実をはかっていく。 2014年度に久米島を調査、2015年度に久高島を調査して、離島の言語実態が少しは把握できたが、まだ調査としては不十分である。最終年度は県本土と離島との言語差異をデータ化したい。 そして、引き続き沖縄古典籍を内容類型学的立場から再考する。 また、沖縄方言で歌われ、語られる諸歌謡、民話、諺などの口承文芸も研究対象としてデータ化したい。
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Causes of Carryover |
現地調査を優先し、データ集積およびデータ分析を最終年度にまわしたためである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
最終年度にデータ集積およびデータ分析をしたい。
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