2013 Fiscal Year Research-status Report
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25370489
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
糸魚川 美樹 愛知県立大学, 外国語学部, 准教授 (10405152)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | スペイン語 / 医療分野 / 移民 / 公共サービス / 異文化メディエーター / メディエーション / スペイン |
Research Abstract |
1. 2013年9月スペインのバルセロナ市とバレンシア市において、異文化メディエーション事業を関わっている民間非営利団体に対し、活動に関するインタビュー調査をおこなった。2014年2月にバルセロナ市において異文化メディエーターに対しインタビュー調査を実施した。2009年からの経済不況で自治体からの助成金で運営されていた事業については、予算削減により活動の継続が難しくなっているものがある。また、異文化メディエーターのポスト自体が激減している。そのことから新しい異文化メディエーション活動のあり方を模索する団体もでてきている。2013年9月に実施調査結果の一部について、愛知県立大学平成25年度公開講座第3回「異文化メディエーターが活躍するスペインの現場」(2013年11月23日)で報告した。 2. 平成25年度あいち医療通訳システムによる通訳技術の基礎研修(通訳技術スペイン語クラス)10月を観察し、日本の医療現場ではよく使うが、スペイン語ではあまり使われない語彙を確認した。たとえば「初めての診察ですか」「こちらで診察を受けたことがありますか」という初診でよく使われる表現について、スペイン語では「ここには初めて来ましたか」または「以前こちらに来たことがありますか」という簡単な表現で理解される。日本語母語話者は「診察」という語にこだわりすぎ、スペイン語母語話者には理解しづらい訳を作っていることが確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
スペインにおける異文化メディエーションの概念とその実践者である異文化メディエーターに関する現地調査をスムーズに実施することができ、またはそれを報告する機会が与えられたため、調査結果を早い段階でまとめることができた。 医療スペイン語の研究については、教材作成が十分すすんでいるとはいえないが、データや教材作成のため資料が集まりつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
1. 医療分野スペイン語の研究について:愛知県で活躍しているスペイン語の医療通訳者と集まる機会を設定し、医療通訳実践においてどのようなスペイン語の学習が必要か、どのような場面/状況に対するスペイン語教材が必要かを確認し、教材作成にいかしていく。 2. スペインにおける異文化メディエーションについて:スペインにおける外国籍住民は2012年より減少傾向にあり、2000年代に経験したような急増(8年間で400万人以上の外国籍居住者が増加)は今後しばらくは起こらないことを考えると、異文化メディエーション活動のあり方についても再考の必要があるかもしれない。今後は定住化する移民に対する公共サービスと「社会統合」のあり方について詳しくみていく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
旅費のうち、調査対象機関の都合により、調査期間が短縮されたこと、宿泊について知人宅を利用することができたことによる。 スペイン語の医療通訳経験者との情報交換会を開催する。教材に使用するため、スペイン語母語話者に協力を依頼し会話場面の録画、録音を実施する。
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Research Products
(4 results)