2016 Fiscal Year Annual Research Report
A study on social and geographic variations of the use of Japanese demonstratives
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25370519
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
堤 良一 岡山大学, 社会文化科学研究科, 准教授 (80325068)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡崎 友子 東洋大学, 文学部, 教授 (10379216)
長谷川 哲子 関西学院大学, 経済学部, 准教授 (20368153)
松丸 真大 滋賀大学, 教育学部, 准教授 (30379218)
藤本 真理子 尾道市立大学, 芸術文化学部, 講師 (10736276)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 指示詞 / 記憶指示 / 現場指示 / 九州方言 / 台湾 / 中国語 / 方言 / 長崎 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は研究計画の最終年度ということで、これまでの実績の発表、まとめ、そして次年度へ向けての計画の練り直しをおこなった。また、昨年度までの実績の報告として、2016年4月30日に、大阪大学にてシンポジウム「バリエーションの中の日本語史」(主催、土曜ことばの会)を行い、本研究で明らかにしたことを報告した(報告者;堤良一、岡﨑友子、藤本真理子)。 1.記憶指示のアについて、長崎方言話者においては、話し手(情報の供給者)からの情報のみで、直接的な経験を有していなくても用いることができる。この仮説は、長崎方言話者以外で、このようなことが生じないという前提で導き出されている。このことを確かめるために、関西学院大学(兵庫県)、東洋大学(東京都)で同様の調査を行った。結果は、我々の仮説に反し、これらの大学でも直接経験をしていない場合にアノが用いられるということが判明した。 2.記憶指示のアノは、話者の直接経験に基づいて用いられるということが指示詞研究の通説となって久しいが、この仮説は見直されるべき点を有している。特に、「意外性、親近感」などという、話者の感情に関する概念を積極的に取り込むこと、さらに談話の構造についても考察を加えなければならないことなのが明らかになった。 3.現場指示の用法については、学習者と母語話者の間に差がある。また、母語話者の間にも方言差が存在する(前年度の業績)。以上の点をふまえて、本研究は2017年10月に刊行される予定の書物として公表される予定である。
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Research Products
(4 results)