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2014 Fiscal Year Research-status Report

日本語の複文構造が文の読みやすさ/読みにくさに及ぼす影響についての研究

Research Project

Project/Area Number 25370522
Research InstitutionTokyo Metropolitan University

Principal Investigator

大島 資生  首都大学東京, 人文科学研究科(研究院), 准教授 (30213705)

Project Period (FY) 2013-04-01 – 2016-03-31
Keywords日本語 / 複文構造 / 文の読みやすさ/読みにくさ / 翻訳
Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は、従来、直観的・感覚的にしか言及されてこなかった、日本語文の読みやすさ/読みにくさに対して、文構造、とりわけ名詞を修飾する連体修飾節、いわゆる接続助詞に導かれる節(以下、「接続節」と呼ぶ)などの複文構造という視点から明示的な指標を与えることにある。そこで、本研究においては、連体修飾節や接続節などの複文構造が文の読みやすさ/読みにくさにどのように影響するかを、ある程度まとまった量のデータをもとに検討する。
ここではデータとして外国語を日本語に翻訳したものを用いる。これは、以下のような事情による。読みやすさ/読みにくさを検討する手法としてhあ、同一事象を複数の書き手が記述したものを比較することが有効である。外国文学の、複数の翻訳者による翻訳は、そのような条件を満たしている。
本年度に行なった具体的な作業は以下のとおりである。
(1) The Great Gatsby (F. Scott Fiztgerald)原文から抽出した関係節、従位接続詞の導く節、分詞構文を含む文に対応する訳文を、5種類の翻訳から抽出し、Excel ファイルに入力する作業を進めた。(2)抽出されていなかった原文、すなわち関係節、従位接続詞などを含まない原文のうち、翻訳文で連体修飾節を用いているものを抽出し、(1)と同様に入力作業を行なった。(3)翻訳実務に携わっている翻訳者に協力を求め、分析方法等への助言を得るため、定期的に検討会を行なった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本年度は主として次の二つの作業を進めた。

(1) The Great Gatsby (F. Scott Fiztgerald)原文から抽出した関係節、従位接続詞の導く節、分詞構文を含む文に対応する訳文を、5種類の翻訳から抽出し、Excel ファイルに入力する作業
(2)抽出されていなかった原文、すなわち関係節、従位接続詞などを含まない原文のうち、翻訳文で連体修飾節を用いているものを抽出し、(1)と同様に入力する作業

(1)(2)はほぼ完了し、点検作業を行なっている段階である。

Strategy for Future Research Activity

引き続き、検討対象となる用例の抽出・入力を進め、データベースの完成をめざす。蓄積したデータを用いて、日本語分の読みやすさ/読みにくさを左右する要因の特定を行なう。
原文では関係節や従位接続詞などを含まないが、翻訳文では連体修飾節を用いている用例が一定数検出されている。このような用例を追加採録することで、さらに新しい知見が得られるものと期待される。

  • Research Products

    (1 results)

All 2015

All Journal Article (1 results)

  • [Journal Article] 「現代日本語における形容詞連用形・テ形の機能について」2015

    • Author(s)
      大島資生
    • Journal Title

      『人文学報』(首都大学東京人文科学研究科)

      Volume: 507 Pages: 1-18

URL: 

Published: 2016-05-27  

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