2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25370523
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Research Institution | Onomichi City University |
Principal Investigator |
灰谷 謙二 尾道市立大学, 芸術文化学部, 教授 (60279065)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小西 いずみ 広島大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (60315736)
友定 賢治 県立広島大学, 保健福祉学部, 名誉教授 (80101632)
岩城 裕之 高知大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (80390441)
有元 光彦 山口大学, 総合科学部, 教授 (90232074)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 方言 / 伝播 / 中国地方方言 / 偏流 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、中国地方方言において、方言の伝播・言語改新の経路が西日本のなかで中国地方域において留められ、飽和・均衡状態を見せる現象をとらえ、その「よどみ」の成因を明らかにし、ひいては日本語における方言状態形成の理を捉えようとする研究の基礎研究となることを志した。中国地方方言は、関西と九州の中間に位置し、西日本における言語伝播の東西流通の一大経路となりうる。しかし、関西に発生し、中国地方に順次伝播発生するであろうと予想される現象が伝播をみせず、古態を維持する言語項目が多々認められる。このような「よどみ」「偏流」は具体的にどのような現象にあらわれ、どのようなメカニズムで発生するのかという言語内的な課題が設定される。またそこにはどのような地域人の社会意識や経済的状況が関わるのかという外的要因が考えられる。この両面からの視点をもって、中国地方方言の伝播を東西・南北・環状の3経路を軸とし、さらにその外側である関西・九州との関係を考え、山間部の中国道、沿岸部の山陽道における広域的な方言分布状況と伝播の実態を体系的・総括的に記述することを目指した。 3年の研究期間のうち、1年目を中国山地を東西につらぬく中国自動車道ルートを中心とした調査研究、2年目は旧山陽道に近い、現山陽自動車道ルートを中心とした調査研究に入る計画をたてた。 三次、美祢、津山、新見の調査と分析が完了した段階で今年度の研究期間終了を迎え、山陽道側の調査をまった比較と分析は今後の課題となった。
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