2014 Fiscal Year Research-status Report
日本語の用言データベース作成とそれに基づく計量分析および合成形用言の語構成史
Project/Area Number |
25370533
|
Research Institution | Osaka International University |
Principal Investigator |
村田 菜穂子 大阪国際大学, 国際コミュニケーション学部, 教授 (60280062)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前川 武 大阪国際大学短期大学部, その他部局等, 教授 (30238844)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 語彙 / 用言 / 計量分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
上代から中世にわたる通時的な視点に立ち、古典語の動詞語彙について、動詞データを抽出し、語構造論および造語論の両観点から分析を行い、一つ一つの語の語構成要素を記述するとともに語彙表を作成する。さらに、これまでの形容詞・形容動詞についての研究成果を踏まえて、「動詞の語構成史」を構築し従来の研究方法では得られなかった知見を探求することが本研究の目的である。 まず、本研究に先立ち、関連する形容詞・形容動詞についての研究成果を補完するために、狂言及びキリシタン資料の形容詞の語構成について分析を行うとともに、中古形容詞の複合的方式について考察した。 次に、本年度に予定していた中古動詞データの採取を行った。具体的には、中古散文12作品(和泉式部日記・枕草子・源氏物語・紫式部日記・堤中納言物語・夜の寝覚・浜松中納言物語・更級日記・狭衣物語・大鏡・讃岐典侍日記・とりかへぱや物語)を対象とし、このうち、和泉式部日記・枕草子・源氏物語・紫式部日記・堤中納言物語・更級日記・讃岐典侍日記の7作品については、国立国語研究所コーパス開発センター公開の「日本語歴史コーパス」に収録されていることから、この「日本語歴史コーパス」を利用して各作品に使用されている動詞データの抽出を行った。 現在、データ抽出済みの作品の動詞データについては、順次計量分析を行うとともに、残りの5作品については、索引を基に動詞の抽出作業を進めているところである。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
上記の研究実績の概要での中古散文12作品のうち5作品についての動詞データの抽出及び全体の分析等の作業が遅れているが、紙べ-スの索引を基に作業を行っているため、予想以上の時間を要したためである。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は、遅れている作業を推進していくとともに、語構成分析を行い、その結果を用いて質的な側面からの分析を行う。具体的には中古語の動詞の分析結果と同時期の形容詞・形容動詞についての分析結果とを比較し、語構成様式および語種についての歴史的変遷を考察する。
|
Causes of Carryover |
旅費の支出が予想より多くなり予定していた物品の購入が難しくなったため
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
まず、次年度使用額と翌年度分として請求した助成金の一部を合わせて本年度に購入できなかった物品を優先的に購入する。次に、翌年度分として請求した助成金の残りについて、人件費を中心に計画的に使用していく。
|