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2013 Fiscal Year Research-status Report

方言ロールプレイ会話における談話展開の地域差に関する研究

Research Project

Project/Area Number 25370539
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Research InstitutionNational Institute for Japanese Language and Linguistics

Principal Investigator

井上 文子  大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 時空間変異研究系, 准教授 (90263186)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 松田 美香  別府大学, 文学部, 教授 (00300492)
熊谷 智子  東京女子大学, 現代教養学部, 教授 (40207816)
三井 はるみ  大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 理論・構造研究系, 助教 (50219672)
小西 いずみ  広島大学, 教育学研究科, 准教授 (60315736)
日高 水穂  関西大学, 文学部, 教授 (80292358)
Project Period (FY) 2013-04-01 – 2016-03-31
Keywords方言談話 / 会話分析 / 発話機能 / 言語行動 / データベース
Research Abstract

方言談話の地域差・世代差・性差・場面差などを考察するためのパイロット調査としてロールプレイ会話を収集し、談話標識や発話機能に焦点をあてて分析し、談話構造や談話展開についての枠組みや仮説を立てることを目的としている。方言における会話の組み立て方や話題の進め方についてはまだ不明な点が多いため、新しい手法としてロールプレイ会話による方言談話の対照的研究を進めていく。
調査は、日常的なコミュニケーションとして依頼・勧誘などの場面を設定し、親しい同性の友人同士で電話をかけあって、その状況での会話を実演してもらうという方法で実施した。また、先輩にあたる同性の人も加わり、3人の話者総当たりでの組み合わせで、電話での会話を収録した。
得られた会話データのうち、おもに首都圏におけるロールプレイ会話を対象として、ケーススタディ的分析を実施した。文句・依頼・慰め・勧誘・出欠確認・申し出といった設定場面におけるそれぞれの会話について、談話構造を整理し、発話機能をラベリングし、談話展開のパターンを検討した。あわせて、談話展開における主導権の取り方、待遇表現の運用などについても分析した。一例としては、依頼談話では、若年層女性が比較的単純な構造であるのに対して、高年層女性には明示的な断りや受諾がなく、再度の依頼も直接的ではなく、やや複雑な構造であること、高年層女性は依頼行為自体を目立たせず、効果的補強と対人配慮を繰り返すことで相手を納得させ、好意的な気持ちにさせるストラテジーを用いていることが明らかになった。
収録した方言音声を文字化し、共通語訳をつけ、適宜注記を付与して、言語データとして整備した。現時点で整備が完了している会話をまとめて「方言ロールプレイ会話データベース」を作成した。研究成果の公開と発信のためのホームページを開設し、データベースをインターネット上で公開した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

秋田・東京(首都圏)・名古屋・大阪(関西)・相生・広島・大分・熊本・人吉・沖縄において、高年層・若年層の2世代で、男性同士・女性同士の親しい同性ペアによるペア入れ替え式ロールプレイ会話、同性の先輩・後輩によるリーグ戦式ロールプレイ会話を録音・録画した。現地での協力者が得られたため、計画よりも多くの地点で収録調査をおこなうことができた。
収録した方言音声の文字化、共通語訳、注記付与、音声編集、データベース作成については、作業手順と分担が確定し、データ整備とデータベース化が順調に進んでいる。
打合せ会議・検討会・研究発表会などで意見を交換しつつ、基礎的な分析事例として、首都圏のロールプレイ会話データを対象として、発話機能の観点から談話構造・談話展開を記述した。待遇表現の運用や授受表現の使用についても考察をおこなった。
予定どおり、データベースの公開と研究成果の発信のためのホームページを開設し、音声・文字化・共通語訳・注記の整備が完了した会話データを「方言ロールプレイ会話データベース」として、予定より早くインターネット上で公開することができた。

Strategy for Future Research Activity

ロールプレイ会話調査によるデータ収集を継続する。世代と性の組み合わせ(高年層男性、高年層女性、若年層男性、若年層女性)、場面別(同輩同士、先輩後輩)の会話がまだそろっていない地点を優先的に調査するとともに、首都圏と関西については、重点的にデータ量を充実させる。また、全国を概観できるように、地点の追加も検討する。
収録した音声・映像をもとに、方言音声の文字化、共通語訳、注記付与を継続し、ロールプレイ会話データを蓄積していく。整備・データベース化が完了した会話から、「方言ロールプレイ会話データベース」に追加し、随時ホームページを更新する。インターネットにより公開するホームページ上のデータとあわせて、研究者間で共有するデータとして、個人情報処理済のwav形式の音声データとexcel形式の文字化・共通語訳データを整備する。
すべての会話データを対象として、話段、談話標識、行為的機能、機能的要素、コミュニケーション機能などに注目して、談話展開・談話構造のパターン・特徴について分析する。待遇表現の運用、授受表現の使用、メディアによる異同についても考察する。各種のロールプレイ会話を比較・対照することによって、方言談話における談話構造・談話展開の地域差・世代差・性差・場面差・メディア差などを明らかにする。
学会発表と連動して開催されるワークショップで、いくつかの観点からの分析事例を具体的に紹介して話題提供をおこない、フロア参加者にも実際の会話データを提示し、確認・分析してもらいながら、着眼点・分析対象項目・分析方法などについて討論する計画である。また、より多くの地域・世代を対象とした共同調査を呼びかけ、参加者が共有できる会話データベースを連携して構築していくことを提案したいと考えている。最終的なまとめとしては、研究成果報告書を刊行する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

人件費・謝金の作業の区切り上、繰越金が発生した。
次年度の人件費・謝金に繰越分を加えて使用する計画である。

  • Research Products

    (3 results)

All Other

All Presentation (2 results) Remarks (1 results)

  • [Presentation] 若年層の敬語運用の類型化の試み―ロールプレイ会話データを用いて―

    • Author(s)
      酒井雅史
    • Organizer
      大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所時空間変異研究系合同研究発表会
    • Place of Presentation
      国立国語研究所
  • [Presentation] 関西若年層の携帯メールの話しことば性・書きことば性―ロールプレイ調査における電話とメールの対象から―

    • Author(s)
      白坂千里
    • Organizer
      大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所時空間変異研究系合同研究発表会
    • Place of Presentation
      国立国語研究所
  • [Remarks] 方言ロールプレイ会話データベース

    • URL

      http://hougen-db.sakuraweb.com/

URL: 

Published: 2015-05-28  

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