2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25370545
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
土橋 善仁 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (50374781)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 統語音韻インターフェイス / 韻律階層 / 談話接辞 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に引き続き、PFモジュールの計算体系のモデル及び計算効率に関する制約の妥当性を精査するために、さらなる文献調査を行った。また、韓国語の談話接辞の分布に関する分析をさらに進めた。この研究は、韓国Chung-Ang大学Changguk Yim氏との共同研究である。この接辞の分析にを進めることにより、統語部門からの音声的要素の書き出しからPF表示における韻律階層を構築する計算過程において、幾つかのステップを伴う派生的な構築過程が存在することを裏付けることができる。当該年度においては、この計算過程に関わる韻律階層構築の具体的なメカニズムを提案し、それに課される制約を新たに仮設として提示し、より多くのデータを用いて検証した。その結果を論文としてまとめ、国際誌に投稿した。査読者より頂いたコメントをもとに、データを別の角度から見直したり、さらなるデータを検討するなどしながら、音韻部門における構造構築の過程のメカニズムのさらなる精緻化を進めるとともに、韻律的な派生に課される制約のさらなる簡素化に向け、新たな提案を行い、論文を再提出した。さらに、この論文とは別に、Yim氏との共同研究として、韓国語と日本語の談話接辞の分布の比較に関する研究を開始した。両言語の談話接辞は、一見すると同じ分布を示すが、細部にわたって検討を重ねた結果、幾つかの重要な違いがあることが分かった。この差が、談話接辞の分布に課される制約の適用される韻律的な派生の段階の差に帰されるという仮説を立てた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初、3年目に計画していた国際誌への投稿を、当該年度(2年目)に行い、さらなる研究を開始しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで行ってきた韓国語の談話接辞の研究をさらに推し進めて、日本語との比較を詳細に行い、韻律的な観点から、言語間の差異を説明するパラメータの定式化を目指す。
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Causes of Carryover |
予定していた海外での学会発表をすでに前年度に済ませたため、当該年度に海外渡航をしなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
前年度の成果を受けて始めた日本語と韓国語の比較研究の調査研究費用およびその成果発表に使用する予定。
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