2013 Fiscal Year Research-status Report
コーパスデータの信頼性とI言語研究資料としての利用の妥当性に関する考察
Project/Area Number |
25370549
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大名 力 名古屋大学, 国際開発研究科, 教授 (00233205)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | コーパス / 言語能力 / 経験科学 / 科学哲学 / 妥当性 |
Research Abstract |
初年度の25年度は,前研究課題「言語研究資料としてのコーパスデータの客観性と信頼性に関する考察」の研究成果を基に,コーパスデータの信頼性の問題について整理を行い,本課題で扱うべき用語・概念の検討を行った。具体的には,「演繹法・帰納法」「言語能力・言語運用」「合理論・経験論」「経験的」など,コーパスを用いた研究における方法論について論じられる際,よく用いられるが,多義または曖昧で研究者によって異なる意味で用いられていたり,誤った意味で使われていたりすることが少なくない用語を取り上げ検討した。また,コーパス研究でよく見られる定量分析の基礎となる「頻度」の意味についても,I言語研究という観点から検討を行った。 当初の計画では,2年目の26年度に,コロケーションに焦点を当て,問題点を検討する予定であったが,日本英文学会中部支部第65回大会で,コロケーションをテーマとしたシンポジウムが企画され,その司会となることとなったため,前倒しでコロケーションに関する検討も進めた。大会では「“コロケーション”研究の諸相」と題してシンポジウムを行い,その司会を務めると共に,「“コロケーション”を解体し,統合する」という題目で発表も行った。発表では,「語と語の慣習的な結び付き」とされる「コロケーション」が,多種多様な共起関係を示す用語として用いられていることを具体例を基に示し,そのような共起を引き起こしている原因を明らかにすることが重要であることを論じた。コロケーションに関しては,26年度も引き続き検討を行う予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
口頭発表のみで論文という形では成果を公表していないが,次年度以降の計画実行のために必要な問題の検討は順調に進んでいるため,初年度としては特に問題ないと判断した。
|
Strategy for Future Research Activity |
基本的に予定通り進めるが,当初2年目に行うことを計画していた「コロケーション」に関する検討を既に一部行っているので,それを踏まえ,考察をより深められるよう,進める予定である。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
残高が少額であるため,次年度分と合わせて使用した方が有効に活用できると判断した。 残金のみで特定のものを購入したりするのではなく,次年度分と合わせて使用する。
|