2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25370553
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
井上 永幸 広島大学, 総合科学研究科, 教授 (10232547)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 英語シノニム / 英語類義語 / 英語語法研究 / 英語コーパス言語学 / 英語辞書学 |
Research Abstract |
井上(2013a): it is ... (for A) to do構文に名詞が現れる場合,実際の英語では,名詞の部分に普段参考書などに現れるものとは若干異なるものが頻度が高く,特に汎用的な名詞のthingは前に多様な形容詞をとって幅広い表現で用いられること,また,意味上の主語を表すfor Aの出没は,行為の主体者をはっきりさせる必要のある(not) unusual(50%程度)を除いて,概ね10%前後に留まることを見た。 井上(2013b): コーパスについて,(1)活用の理由,(2)使用形態,(3)威力と限界,(4)注意点などについて議論した。特に,単なる用例集として検証用として使うのではなく,日本人英語学習者に必要な情報を抽出し一般化を目指す分析対象として用いることなどの必要性を指摘した。 井上(2013c): 英語の歴史的経緯を概観後,語彙・シノニムの豊富さにふれた後,英語シノニムに関する解説本や辞書出版の流れを確認し,シノニム辞書の代表的な解説様式を紹介した。 井上(2013d): 英語辞書におけるシノニム記述の実態を様々な観点から概観し,日本人英語学習者が必要とするシノニムに関する情報を,コーパスを援用しながらどのようにして示してゆくことができるのか,その可能性について具体例を示しながら考察した。 島田・井上(2013e): 大規模コーパスを分析し,useは一般語で「道具」と考えられる様々な名詞や様態や頻度など幅広い副詞と共起する一方,utilizeはかたい語で,特に「技術・技能,手段・方法,資源」を意味する語と連想関係が強く,副詞は主に効果・効率性に言及する副詞と共起する傾向が見られ,比較の意図を明示して何かを使用する際に有効性や効率性を考慮した過程を示す際に好まれることを指摘した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度~平成29年度にかけて,12項目のシノニム・語法研究を行う予定である。井上(2013a-e)において種々のシノニム研究事例について扱っているが,とりわけ,井上(2013a)と井上(2013e)においては,2項目の新規事例を扱った。研究成果は着実に積み上げられているが,それぞれが相互に関係し合っているので,一括しての発表に至っていない部分がある。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目に当たる平成26年度は,引き続き2~3項目について研究を進めてゆく予定である。なお,本研究は,申請者のみで行うため,共同研究者の途中離脱などの可能性はなく,順調に研究が推進できることを確信している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
購入物品の販売価格の変動やコーパス使用料の変動により,若干の次年度使用額が生じた。 無駄が生じないよう,計画的に使用してゆきたい。
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Research Products
(4 results)