2015 Fiscal Year Research-status Report
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25370553
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
井上 永幸 広島大学, 総合科学研究科, 教授 (10232547)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 英語シノニム / 英語類義語 / 英語語法研究 / 英語コーパス言語学 / 英語辞書学 |
Outline of Annual Research Achievements |
山本・井上(2015):談話辞Absolutelyを中心に,類義語であるCertainlyとDefinitelyとの意味・用法の違いに焦点を当てた分析を行った。Certainlyについては,同意や事実確認への返答などでも幅広く用いられるAbsolutelyに対し,依頼や要請に対する承諾で使用される傾向があり,特にservice encounterやbusiness communicationで好まれ丁寧表現として用いられることを示した。Definitelyについては,強意副詞としての特性に注目し,共起語との関係を検証した。談話辞として用いられる場合にも前置修飾語による強調を容認しないAbsolutelyに対し,Definitelyについてはmostによる強調表現が可能であることを示した。 多田羅・井上(2015):be capable of doingがどのような状況で好んで用いられるのか,後続する動詞に焦点を当てて検討した。その結果,be capable of doingは,誰もがたやすくできる行為ではなく,潜在的能力に基づく熟練した技術や特殊な知識を用いて達成することのできる行為を表す際に用いられる傾向が強いということを示した。そして,人以外のものを主語とした場合は,元々備わっている受容的機能や性質によって達成される能力を表していると言える。また,その場限りで起こる能力を表現する際に用いることはできないが,普遍的あるいは一定の期間を伴って起こる能力を表現する際に用いることはできることを見た。 井上(2015b):井上(2014a)に引き続き,主格補語をとるfallと副詞の関係を,シノニムであるbecomeと副詞との関係に拡げ,fallがとりやすい副詞と,becomeがfallと同様の主格補語と共起する際にとりやすい副詞を比較してそれぞれの特性を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度~平成29年度にかけて,12項目のシノニム・語法研究を行う予定である。井上(2015c)において種々のシノニム・語法研究事例について扱っているが,とりわけ,山本・井上(2015)と多田羅・井上(2015)においては,2項目の新規事例を扱った。研究成果は着実に積み上げられているが,それぞれが相互に関係し合っているので,一括しての発表に至っていない部分がある。
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Strategy for Future Research Activity |
4年目に当たる平成28年度は,引き続き主格補語を導く動詞と強意副詞について研究を進めてゆく予定である。なお,本研究は,申請者のみで行うため,共同研究者の途中離脱などの可能性はなく,順調に研究が推進できることを確信している。
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Causes of Carryover |
購入した物品が少額で済んだため, 残額が173円生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
残額は消耗品等の購入に使用する計画である。
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Research Products
(7 results)