2013 Fiscal Year Research-status Report
主体性から見た「存在」と「知覚」に関係する構文の日英語比較
Project/Area Number |
25370556
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
坪本 篤朗 静岡県立大学, 国際関係学研究科, 教授 (40138623)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 主体性 / タイミング / 連続と非連続 / 「いま・ここ」と自己同一性 / 矛盾とトートロジ / モノ・コトの両義性 / 想起 / 名詞化 |
Research Abstract |
今年度は、主体性との関係で主要部内在型関係節を中心に取り上げ、その構文機能として項(補語)なのか付加詞(副詞節)なのかという「矛盾」に関わる問題について、「永遠に平行線を辿る」議論といった主張がなぜ出るのか、という本質的な問題を、時間(特に、タイミング)と「想起」の問題から考察した。この構文の本質を「両義的」構文と位置づけ、「連続性」と「いま・ここ」の問題と密接に関係づけるとともに、主体と事象との関わりおよび「自己関係性」の観点から論じ、認知言語学とは違った見方を提案した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「おおむね」としたのは、ト書き連鎖の英語実例収集の進行が予想に反して少なかったことがある。同時に、このプロジェクトの中心課題である、「波と粒子の言語学」の考え方を十分に提示するためにもう少し時間が必要だと考えているためである。また、初年度に予定していなかった構文(数量詞遊離構文)を前倒しして取り上げたために時間を割いてしまったことも理由としてあげられる。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目の今年度は、ト書きのデータの整理と「波と粒子の言語学」の考え方をわかりやすく整理して論文作成をしたい。同時に、具体的に取り上げる構文として、数量詞遊離構文、同族目的語構文を中心にした構文研究を行う。昨年度開いた「意味論研究発表会」を今年度も開き(今年度は12月19日~20日の2日間)、「主体性」を中心としたテーマのもと、さらなる議論の展開を行いたい。今年度は「場所論」と「主体性」の関係をより明示的に取り上げる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
予定していた出張がキャンセルになり、その分の予算執行ができなかった。使用額の差額はそのため。 今年度は初年度よりも学外の研究者との積極的な交流の機会をもちたい。今年度は、資料データの整理のため、学生アルバイトの費用が増える予定である。
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Research Products
(3 results)