2013 Fiscal Year Research-status Report
英語における形容詞、名詞から構成される名詞句の修飾関係と、その意味拡張について
Project/Area Number |
25370559
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Kochi |
Principal Investigator |
金澤 俊吾 高知県立大学, 文化学部, 准教授 (70341724)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 形容詞 / 同族目的語構文 / 軽動詞構文 / 転移修飾 / 詳述性 |
Research Abstract |
本研究は、英語における名詞句[A-N]が、意味的には様々な修飾対象と修飾関係を結んでいることに注目し、各事例間にみられる連続性を明らかにすることを目的とする。 1年目である平成25年度は、英語における名詞句[A-N]にみられる修飾関係を3つのパタン、①「メトミニー的に名詞を修飾する事例」と、②「主要部の反転がみられる事例」、③「形容詞が後続する名詞以外の要素と修飾関係を結ぶ事例」にそれぞれ分類し、各事例にみられる修飾関係を検証した。 当初の計画通り、おおむね3つの事例に関する経験的事実の観察と検証を行うことができた。①に関して、形容詞quick, quiet, thoughtful, meditative, carefulと、事象名詞drink、飲み物を表す名詞との修飾関係をそれぞれ検証した。その結果、それぞれの名詞句の言語化の違いは、事象の詳述性(specificity)の違いに起因することを明らかにした。また、いずれの名詞句も修飾対象とされる名詞のクオリア構造内の形式役割と修飾関係を結ばなければならないことを明らかにした。また、②については、軽動詞haveを伴う構文との比較の中で、同族目的語構文にみられる多様性について検討した。とりわけ、[drink-a/an Adj-N]から構成される同族目的語構文のうち、He swigged a quick drink of gin straight from the bottle./She slurped a noisy gulp of tea.のように主動詞の位置、目的語名詞の位置にそれぞれdrinkの類義語が生起する場合に主要部の反転がみられることを明らかにした。③については、Way構文、転移修飾表現にそれぞれみられる修飾関係を検証した。 本研究成果の一部は、4編の研究論文と1件の学会発表にて発表されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、英語における名詞句[A-N]にみられる修飾関係を3つの事例、「メトミニー的に名詞を修飾する事例」と、「主要部の反転がみられる事例」、「形容詞が後続する名詞以外の要素と修飾関係を結ぶ事例」にそれぞれ分類し、各事例にみられる修飾関係を検証することができた。一方で、3つの事例に分類される経験的事実の収集に関して、これまで収集した事実の検証にとどまっているところが一部ある。次年度以降、新たな経験的事実の発掘を鋭意進め、各パタンにみられる意味的特徴について検証をさらに進めていく。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画に沿って各事例にみられる修飾関係の検証と頻度効果についても検証を進める。あわせて、最終年度には名詞句[A-N]の3つの事例間の意味拡張の過程を明らかにする必要がある。これを実現するため、これまで検証した結果を踏まえつつ、必要に応じて各事例に分類される経験的事実をさらに収集し、記述的一般化をさらに発展させられることにも注意を向けて研究を進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
25年度は当初予定していた図書、文献、資料等の購入が予定していたものより少なかったため。 25年度で購入予定していたものについては、26年度できるだけ早い時期に購入し、計画的に予算を執行する予定である。
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Research Products
(6 results)