2016 Fiscal Year Annual Research Report
The modification relations of an adjective-noun combination in English and its semantic extension
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25370559
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Research Institution | University of Kochi |
Principal Investigator |
金澤 俊吾 高知県立大学, 文化学部, 准教授 (70341724)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 形容詞 / 限定用法 / 詳述性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の最終年度にあたる本年度は、これまで研究発表してきた名詞句の事例の意味的特徴に関して、詳述性 (specificity)を用いて意味拡張を考察し、論文にまとめた。 「形容詞がメトニミー的に名詞を修飾する事例」として、軽動詞haveを伴うa {quick/quiet} drinkから、主動詞haveを伴うa quick {beer/whiskey}への意味拡張について考察した。その結果、詳述性の粒度の違いが、各動詞句に見られる形容詞の分布の違いに反映されることを明らかにした。動詞句have a/an Adj drinkは、「飲む」事象を表す。それに対し、動詞句have a/an Adj {beer/whiskey}は、詳述性の粒度が高く、飲み物を「摂取する」動作を表す。この違いは、各動詞句に生起する、形容詞の分布の違いにも反映される。動詞句have a/an Adj drinkには、事象に関わる形容詞(事象の時間的推移、事象の様子、雰囲気を表す形容詞)が生起するのに対し、動詞句have a/an Adj {beer/whiskey}には、飲む動作の様態、参与者の様子を表す形容詞が生起することを明らかにした。 「主要部の反転がみられる事例」として、名詞句a/an Adj sipが、takeを伴う軽動詞構文と、前置詞句in a/an Adj sipを伴う様態副詞構文、同族目的語構文にそれぞれ生起する場合に見られる意味的特徴と、当該名詞句の意味拡張を検討した。その結果、生起する構文の詳述性の粒度が高まるにつれて、当該名詞句が、「飲む」事象から、「飲む」動作の過程、飲み物の量を強調する例へと意味拡張が見られることを明らかにした。また、それに伴い、形容詞の分布の拡がりにも違いが見られることを示した。形容詞は、軽動詞構文の場合、事象や動作の様態を表すものが多く生起し、同族目的語構文の場合、飲み物の量を表すものが多く、様態副詞構文は、これら2構文の中間に位置することを明らかにした。 なお、本研究の成果の一部は、2編の論文として発表されている。
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Research Products
(2 results)