2016 Fiscal Year Annual Research Report
A comparative study on the use of consideration expression of Japanese by Japanese native speakers and foreign Japanese learners
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25370576
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
牧原 功 群馬大学, 国際教育・研究センター, 准教授 (20332562)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山岡 政紀 創価大学, 文学部, 教授 (80220234)
小野 正樹 筑波大学, 人文社会系, 教授 (10302340)
俵山 雄司 名古屋大学, 国際機構, 准教授 (30466685)
大和 啓子 群馬大学, 国際教育・研究センター, 講師 (60640729)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 配慮表現 / ポライトネス / 第二言語習得 / 対照研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、①日本語学習者の日本語の配慮表現の習得状況を把握するための学習者コーパスを作成する、②同様の課題による日本語母語話者のコーパスを作成し、学習者コーパスと対照研究の観点から検討する、③日本語学習者の配慮表現の習得・運用が、日本語と他言語とでの配慮表現の表現形式の異同や、教師側のビリーフ、学習者の学習ストラテジーとどのように関連しているのかを検討する、という3点を目的とする。更に、これらの研究を通じて、日本語学習者の配慮表現習得の問題点を明確化し、日本語教育に応用可能な日本語の配慮表現の体系的な整理を目指した。 初年度から平成27年度にかけて、上記①、②について、国内での予備的な調査を経て、中国、韓国での部分的な調査を進めた。平成28年度は、台湾、タイでも継続的にデータの収集を進めつつ、データのデータベース化、分析を行った。 これまでの主要な研究実績としては、外国人学習者の動詞の自他の選択に関わる研究、引用の形式の使用に関わる研究、外国人学習者のポジティブポライトネスの使用に関する研究、日本語の繰り返し表現に関わる研究が挙げられる。動詞の自他の選択、引用形式の使用では日本語母語話者の選択との比較を行った。ポジティブポライトネスの使用に関する研究では、言語ごとにポジティブポライトネスの運用方法が異なり、その干渉で適切にポライトネスをコントロールできないことを示した。繰り返し表現では、日本語のトートロジー表現が配慮と密接に関わっていることを示した。 現在も、ある発話行為を行う際の構文の選択に関する母語話者と日本語学習者の差異(例えば、相手に行為を促す際、「~しますよ」「~しましょうね」と母語話者が発話する場合でも学習者は「~してください」を多用する等)、教師のビリーフと学習者の配慮表現習得の関わりについて、分析を継続中である。また、コーパスの公開についても準備を進めている。
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Research Products
(12 results)