2015 Fiscal Year Research-status Report
グローバル化時代の自己表現のための日本語パブリックスピーキングに関する研究
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25370585
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
深澤 のぞみ 金沢大学, 歴史言語文化学系, 教授 (60313590)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山路 奈保子 室蘭工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40588703)
須藤 秀紹 室蘭工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90352525)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | パブリックスピーキング / 聞き手への働きかけ / コンテクスト共有 |
Outline of Annual Research Achievements |
グローバル化の進む世界で,公に向けて発信されたメッセージが人々に大きい影響を与えるようになってきている。それは日本語でも例外ではなく,日本語学習者や日本語母語話者が,様々な場における自己表現法として重視されるようになってきた。 本研究では,新しい情報や自分の考えなどを日本語で他人に伝えることを日本語パブリックスピーキングと定義した上で,いくつかのジャンルの調査を行い,さらに文化や言語の差についての分析も行い,その特徴は何かということを検討してきた。 その結果,最も重要なこととして,効果的なパブリックスピーキングの要因の1つとして,聴衆がどのようにメッセージを受け取るかということが挙げられるが,そのために,パブリックスピーキングの中で,聴衆への働きかけを行うことや,話し手と聞き手と,共通の理解基盤を作ってから論を展開することが重要であるということが明らかになった。このうち,共通の理解基盤を作って論を進めることを「コンテクスト共有」と名付け,どのような方法でコンテクスト共有を行っているかについても調査を行った。具体的には,日本人の「ビブリオバトル」で行われたスピーチの資料および,日本語学習者のスピーチの資料を分析し,さらに比較を行った。 また,パブリックスピーキングの文化や言語による異なりの例として,式辞スピーチの日中比較を行った。式辞スピーチにおいて,日本と中国とでは,どちらも聞き手を重視して話を進めることは同じであるが,その方法には違いがあることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
計画では,様々なジャンルの調査を行うこと,新しいタイプのパブリックスピーキングについての調査を行うこと,そして具体的な日本語教育の教授法の提案を行うことがその骨子であある。現在,ほぼ予定通り進めることができているが,具体的な教授法提案の部分についての検討がやや遅れており,研究費についても使用の延長を申請した。
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Strategy for Future Research Activity |
日本語パブリックスピーキングをどのように新しい時代の日本語教育に応用するかについての検討がまだ十分に進められていないので,今年度の前半でその検討を行い,外部への発表などを試みる予定である。
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Causes of Carryover |
業務多忙のため,研究成果の発表などが予定通りできなかったため,今年度に繰り越す。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
学会などでの発表を行う。
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