2014 Fiscal Year Research-status Report
日本植民地におけるメディアを利用した日本語教育に関する基礎的研究
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25370588
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
上田 崇仁 愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (90326421)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ラジオ講座 / 戦前 / 北米向け放送 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度も、日程的な問題から、調査地は韓国釜山を中心とした慶尚南道となった。昨年度、聞き取り調査の申し出をお引き受けくださった方の体調が整わず、平成27年度に持ち越しとなったのが悔やまれる。 国内での資料調査は、東京外国語大学の公開した「戦前・戦中・占領期日本語教育資料について」に含まれているラジオ語学講座に関する資料を集中して検討した。その結果、北米向けに行われていたラジオ語学講座の存在を把握し、これまで把握していた満洲、朝鮮、香港、シンガポール、南方、華北といった地域とはまた異なった教育目標を持った放送であったことを明らかにできた。 具体的には、北米へのラジオ語学講座の実施に当たって、ラジオ講座のメリットデメリットが詳細に検討されていた事実が明らかとなった。朝鮮でのラジオ講座は、文法積み上げ式の内容とトピックを扱った内容、言い換えれば「文法シラバス」と「トピックシラバス」が顕著にみられるのに対し、シンガポールでは「昨日シラバス」に注目した内容、南方ではあいさつから入る、などの配慮があった。北米向けの講座は、教養、文化的な内容が盛り込まれ、日本語そのものだけでなく、その背景にあるものも教育内容としていたことが非常に興味深い。 この調査結果を踏まえ、これまでに科研費で明らかにしてきた戦前のラジオを利用した語学講座について、より広い範囲での教育思想、教育内容について検討を進めることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予定していた東南アジア諸国での調査については、日本国内における基本的な準備調査が資料収集の困難さから進められず、27年度の計画を一部変更することとなったため、やや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度に予定していたタイ、インドネシア、台湾といった地域に関しては、27年度、28年度に2年間を準備にあてることとし、主にメールのやり取りを通じて現地の情報収集に努め、28年度の後半から29年度の前半にかけて、現地での裏付け調査に取り組んでいきたいと考えている。 国内の資料調査も、研究会などでの働きかけから、資料の存在を把握できることが増えてきたため、国内調査を中心とした活動をしばらく続けていくつもりである。
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Causes of Carryover |
海外調査を先延ばしにしたために大幅に経費が残った。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
国内調査の旅費を積極的に使い、古書を中心とした資料収集や当時を知る方々へのインタビューなどに関する謝金等で執行する。
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Remarks |
これまでの研究成果についても公表している。
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Research Products
(2 results)