2013 Fiscal Year Research-status Report
日本語学習者の会話遂行時のモニタリング行為の分析-会話教育のための基礎研究-
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25370593
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
フォード丹羽 順子 佐賀大学, 全学教育機構, 准教授 (70286201)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三宅 和子 東洋大学, 文学部, 教授 (60259083)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 日本語学習者 / 会話教育 / 会話遂行時 / モニタリング / 言語的モニタリング / 談話的モニタリング / 相互行為的モニタリング / コミュニケーション能力 |
Research Abstract |
平成25年度の研究実施計画にもとづいて、日本語学習者の会話データ、および、モニタリング行為についてのデータを収集した。その結果を「第17回ヨーロッパ日本語教育シンポジウム」においてポスター発表の形で研究発表を行った。 調査対象者5名(日本語能力は初中級の高レベル2名、中レベル1名、低レベル2名)に対して、「依頼場面」のロールプレイを実施し、実施後数日以内に、ロールプレイの録音を聞いてもらい、ひとつひとつの発話について、どのようなモニタリングを行っていたかを話してもらった。 モニタリング行為についてのデータは、言語的モニタリング、談話的モニタリング、そして相互行為的モニタリングに分類して、分析した。調査対象者の5名において、それぞれのモニタリング行為の現れ方に違いがみられた。 高レベル学習者はモニタリング数も多く、なかでも相互行為的モニタリングが大半(80~90%)を占めた。それに対し、低レベル学習者では、モニタリング数も少なく、相互行為的モニタリンは50~60%だった。中レベル学習者では、モニタリング数は高レベルの学習者に近く、また3つのモニタリングがまんべんなく行われていることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
日本語学習者に対し、ロールプレイを実施し、会話データ、および、モニタリング行為についてのデータを収集した。その結果を「第17回ヨーロッパ日本語教育シンポジウム」においてポスター発表の形で研究発表を行った。発表では、多くの貴重なディスカッションをすることができた。 そのディスカッションから、今後の研究に対するヒントも得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度行ったロールプレイ場面はやや不自然な個所がみられたため、今年度は、学習者が実際に行うであろう場面設定を考えて、ロールプレイを実施する予定である。 モニタリング行為のタグづけに際しては、研究分担者と議論して行うことにしている。 また、同じロールプレイを日本人学生に対しても実施し、どのようなモニタリング行為が行われているかを、学習者の場合と比較して考察をする予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
2014年3月27日にアメリカ・フィラデルフィアで行われる「全米日本語教育学会」に参加し、本研究に関係のある研究発表を聞く予定で、次年度の予算を前倒し請求をした。 「全米日本語教育学会」への参加は、とりやめた。
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Research Products
(2 results)