2014 Fiscal Year Research-status Report
日本語学習者の会話遂行時のモニタリング行為の分析-会話教育のための基礎研究-
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25370593
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
フォード丹羽 順子 佐賀大学, 全学教育機構, 准教授 (70286201)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三宅 和子 東洋大学, 文学部, 教授 (60259083)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | モニタリング / 言語的モニタリング / 談話的モニタリング / 相互行為的モニタリング / 違和感 / 配慮 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究課題の「モニタリング」を、会話中に内省的に行っている、自己と会話相手の言語行動に関する評価や判断と定義し、考察した。初年度は、日本語学習者と教師とでロールプレイを実施し、学習者のモニタリングデータのみをとったが、今年度は、学習者に親しい日本人学生に声をかけてもらってペア(初中級レベル4ペア、中級レベル4ペアの計8ペア)を作り、両者からモニタリングデータをとった。ロールカードも、学習者にとって身近な状況と会話相手の設定(日本人の友人にアルバイトのシフトを代わってもらう依頼場面)を用意した。 モニタリングのラベルづけについては、大きく「言語的モニタリング」「談話的モニタリング」「相互行為的モニタリング」の3種類を想定しているが、さらに細かい項目についてはさらなる分析が必要な状況である。そこで、今年度は、日本人学生のモニタリングの中に、学習者の発話に対して違和感を抱いたというコメントがしばしば観察されたことに注目し、学習者のコミュニケーション行動に対する母語話者の違和感という視点で研究成果をまとめた。 違和感を、言語的違和感、談話構成的違和感、語用論的違和感に分けて考察したところ、言語的違和感は、文法的間違いなどから生じており、間違いはあっても寛容に受け取られるが、談話展開的違和感は、相手の意図がうまく理解できずに会話がスムーズに進められない場合、言語的違和感の場合より、わかりにくさに対する評価がやや厳しくなっていた。そして、語用論的違和感については、日本語社会でとるべきコミュニケーション行動に関する規範に照らし合わせて、学習者のコミュニケーション行動にずれがみられると感じ、批判的な見方がなされることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
日本語学習者が会話をしているときに、どのようなことに留意しながら話しているかというモニタリングのデータを、学習者8名からとることができた。その際、会話相手のモニタリングにも注目する必要があることを考え、ロールプレイの相手は日本人学生に設定して、ロールプレイを実施し、そのモニタリングデータをとった。また、比較のために、日本人学生どうしでも同じロールプレイを実施した。 モニタリングのラベルづけに関しては、現在のところ検討中であるが、「言語的モニタリング」の項目として、自己の表現選択の意図、自己の丁寧度選択の意図など、「談話的モニタリング」の項目として、自己の展開方法、自己の展開方法批評、自己の展開計画、タスク内容フォローなど、「相互行為的モニタリング」の項目として、相手の行動理解、相手の状況理解などを考えている。 一方、会話相手である日本人学生のモニタリングに注目し、学習者のコミュニケーション行動に対する母語話者の違和感という視点で研究成果をまとめることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、モニタリングのデータを通して日本人学生が日本語学習者に対して示した違和感を分析したが、今後は、同時に行われている、日本人学生の学習者に対する配慮に注目して分析する。さらに、日本人学生どうしのロールプレイおよびモニタリングのデータも増やして、学習者の場合と比較したい。 また、モニタリングのラベルづけに関して、どのような項目をたてて分析するかが検討中であったので、これを確定して考察をすすめていきたい。 今年度実施したロールプレイの8ペアは、初中級レベル4ペアと中級レベル4ペアであったが、日本語能力レベルの差がモニタリングにの実態にあらわれているかについても考察を加えていきたいと考えている。
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Causes of Carryover |
今年度、海外の学会で研究発表を行わなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は海外の学会で研究発表を行う予定である。
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Research Products
(1 results)