2015 Fiscal Year Annual Research Report
国際家族と学校・NPOをつなぐ母語・バイリンガル教育支援―言語資源育成の視点
Project/Area Number |
25370596
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
松田 陽子 兵庫県立大学, 経済学部, 教授 (80239045)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
乾 美紀 (寺尾美紀) 兵庫県立大学, 環境人間学部, 准教授 (10379224)
久保田 真弓 関西大学, 総合情報学部, 教授 (20268329)
野津 隆志 兵庫県立大学, 付置研究所, 教授 (40218334)
落合 知子 神戸大学, その他の研究科, 研究員 (50624938)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 母語 / 継承語 / バイリンガル / ICT / 言語資源 / 国際教育支援 / ビデオレター |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は、特に、ICTを使った母語学習支援の方策について、教育現場での実践をもとに研究を行った。具体的には、iPadを使用して日本語とベトナム語のバイリンガルビデオレターを作成するというベトナム語の母語教室での実践を、ハノイでの日本語学習児童との交流に活用するという取り組みを行い、ハノイの現地の児童にそのフィードバックを録画してもらった。この教授法の効果について、母語教室での子どもたちの学習意欲を高め、周囲の親や学校の先生にも、ベトナム語と日本語のバイリンガル力の重要性や学習の意義を認知させることに有効であることが、アンケート調査やビデオ上映会でのコメント等の分析によって確認された。 ベトナムでの現地調査によって、交流対象となる学校や組織の開発と、実際の上映会、フィードバックの録画活動等を通じて、今後の国際間協力としての学習交流活動を継続して行っていくことの可能性を確認することができた。さらに、韓国語母語学習教室と韓国の学校とをつないで交流する計画も進行中である。 また、関係者との情報交流を目指して一昨年度から運用している母語学習支援のための多言語ウェブサイト(「多文化な子どもの学び―母語を育む活動から」)を、双方向での意見・情報交換の場とするために、Facebookの活用を開始し、活発に情報提供が行われた。これらのサイトの利用状況のデータを詳細に分析し、海外からのアクセスも行われていることがわかり、どういう人たちがどのような目的で利用しているかについての分析を行っている。 最終年度であるため、本科研のメンバーと、これまで密接に研究活動に関わってくださった研究者の方々と共に、研究の総括のためにラウンドテーブル研究会を実施し、今後の課題の集約を行った。今後、この討議の文字化したデータの考察をふまえ、これまでの研究成果をまとめて出版する予定である。
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Research Products
(12 results)