2016 Fiscal Year Research-status Report
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25370601
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
元田 静 東海大学, 国際教育センター, 准教授 (40349428)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 日本語教育 / 参加の動機づけ / 協働学習 / アドラー心理学 / 共同体感覚 / クラス会議 / 学び合い / 談話の分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、協働学習における「参加の動機づけ」に着目し、その現象の詳細を明らかにすること、および参加者の動機づけを高めるために有効な教師側の手法を探ることを目的としている。平成28年度は、昨年度に引き続き、アドラー心理学の「共同体感覚」の観点から「参加の動機づけ」を探ることを試みた。 1)これまで、上級読解の授業において、グループ活動を取り入れた読解活動を継続的に行い、その活動に参加しない学生に着目して、どのようなときに活動に参加するのか、あるいはしないのかを個別に探ってきた。28年度も引き続き、活動中の参加度の観察および授業終了時の質問紙調査とその分析を行った。同時に、これまでに得られた結果をもとに、新たな方法を取り入れ、授業改善を行い、効果を検討した。 2)初級クラスでアドラー心理学に基づく「クラス会議」を行った。学習者の共同体への所属感を高めることを目的として、定期的にクラス会議を実践し、その後の調査およびインタビューによってクラス会議の効果を検討した。これらの成果を論文にまとめて報告した。 3)学習者の参加度を高める取り組みの一つとして、上越教育大学の西川教授の提唱する『学び合い』に注目した。これはクラス全体の教え合い、助け合いのシステムを作り、その中で学力の向上を目指すものである。本格的な実践は次年度に行うこととし、28年度はその準備を行った。 4)本研究では、活動中の談話を中心とした分析を主な手法としているが、談話の分析方法は研究者、あるいは分野により様々である。そこで28年度は日本語教育や教育心理学の分野を中心に、学会誌に掲載された協働学習の談話を用いた研究の方法を比較検討した。現在、それを論文にまとめているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
参加の動機づけを一つの授業だけではなく、様々な授業を対象とし、また、グループだけではなく、クラス全体に働きかける取り組みを行い、効果を検証している。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度はこれまで収集してきたデータを整理・分析し、その成果を学会等で公開することを第一の目的とする。最終的に、これまでの研究結果を報告書にまとめる。
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Causes of Carryover |
28年度はデータ収集や実践が中心となり、成果発表等で旅費を使用することが少なかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
主に成果発表等のための旅費、およびデータ収集のための物品費が必要となる。また、最終報告書をまとめるための印刷費にも使用する予定である。
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