2013 Fiscal Year Research-status Report
Developing multimodal learning material for Spanish as a foreign language based on the balance of communicative and structural approaches and on the concept of intercultural communicative competence
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25370614
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
CECILIA・N Silva 東北大学, 高等教育開発推進センター, 講師 (40361208)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 外国語教育 / 異文化 / 多文化 / 総合的スキル |
Research Abstract |
2013年度は、理論と実践に関する以下のような活動を行った。 1.実践に関しては、『スペイン語ワークショップのハンドブック』と名付けた教材を作成した。又以下のように、教材のビジュアルデザインと内容の分量に関する学生の意見を聞いた。 (1)説明部分と練習問題をはっきり区別できるようなレイアウトにすべきである、アクティビティは混合型ではなく、各区分(書く、読む、聞く、文法)ごとに分かれて入っているべきであるといった回答を得て、2014年版ハンドブック作成の参考とした。(2)文化と異文化に関する内容についての回答から、学生達は文化的な内容の学習を好み、異文化に関する内容をもっと増やすべきであると理解した。(3)アルゼンチンとスペインの大学や語学学校を数か所視察し、使われている教材を観察した結果、学生の留学準備用の教材開発のアイディアを得た。 2.理論に関しては、「異文化受容」と「多文化主義」という二つの概念をベースにした理論的枠組みを構築し、2014年3月発行の『高等教育開発推進センター紀要』第9号向けに2本の記事を執筆した。一つはホールの著書『言語と文化の教育と研究』の評論で、言語と文化の関係に関する主要な見解の統合について述べた。もう一つは『スペイン語の授業カリキュラムへの文化的内容の組み込み』と題したもので、スペイン語シラバスへの言語と文化の組み込みのモデルについて述べている。日本教育工学会第29回大会(於:秋田大学2013年9月)で発表した『外国語の授業のための教材開発:文化の位置づけ』は、外国語授業への文化的テーマの導入の論理的根拠について説明している。又、全国外国語教育学会第34回大会(於:神戸10月)で行われたワークショップ、『教材における多文化主義の位置づけ』で、上記モデルに従ったスペイン語シラバスの各項目における異文化間コミュニケーション能力の導入法について発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、以下の理由によってかなり順調に進捗している。 1. 異文化・多文化コミュニケーション能力に関しては多数の参考文献があり、文化的項目と言語を結びつけるための理論的枠組みを構築して、適切なモデルを見つけ出すことができた。しかしながら、構造とコミュニケーションのアクティビティの組み合わせ手法の研究はまだ終了しておらず、2014年も継続していく。 2. 教材開発に関しては、東北大学でスペイン語クラスを選択している学生の協力を得て、教材の頻繁な見直しと修正を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究の次の段階は、スペイン語教育のための視聴覚・デジタル教材の開発が中心となる。2014年は、2013年度版『スペイン語ワークショップのためのハンドブック』を使用した学生を対象にした調査結果を考慮に入れて、ハンドブックの改訂版を出す。理論面では、「多様式」視点から見たテクノロジー、つまり様々な様態の情報コミュニケーションテクノロジーの外国語教育における活用法を研究する。多様式に関する主要なコンセプトの統合については、東北大学高度教養教育・学生支援機構の機関誌第10号の記事で触れる予定。 理論的枠組みのなかで定めたコンセプトに従い、我々は視聴覚・ディジタル教材の開発を進めている。具体的には、スペイン語圏からの大学院生による、シラバスの各項目を説明する会話をビデオに収めることを予定。このタイプの教材には、構造への注意とコミュニケーションへの注意を組み合わせたアクティビティを含める。それに加えて、文化的テーマに関するハイパーテキストベースのアクティビティをデザインする。同アクティビティの評価は、調査と聞き取りを実施して行う。こういったビデオとハイパーテキストを使うアクティビティについては、日本教育工学会第30回大会とASELE スペイン語学会(9月)で発表して詳しく説明する予定。 従って2014年度の予算は、研究に必要な書籍の購入、学会への参加、論文の校正、2014年度版スペイン語ハンドブックの印刷、視聴覚・ディジタル教材開発費用(メモリカード、ウェブページ・プログラム、インクカートリッジ、助手)に充てる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度(9月)、スペインで開催された『スペイン語教育法学会』に参加する予定だったが、国内で同じ日に日本教育工学会の学会行われたため、後の方の学会に参加した。そのため、予定より科研費が余った。 平成25年度の科研費繰越経費は以下の使用を予定している。 1. 毎年参加しているスペインでの『スペイン語教育方学会』に参加する他、1つの国際学会参加に係る出張費等。2. 英語・日本語双方で投稿する論文のネーティブチェック・校正作業に係る支払い費用。
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