2015 Fiscal Year Annual Research Report
包括的語彙文法学習システムの構築を目指した中・高DDLデジタル教材の開発と普及
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25370618
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
西垣 知佳子 千葉大学, 教育学部, 教授 (70265354)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中條 清美 日本大学, 生産工学部, 教授 (50261889)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 英語教育 / データ駆動型学習 / Data-Driven Learning / DDL / 語彙・文法学習 / 発見学習 / 気づき / 英語入門期学習者 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度の活動は1)教材開発,2)実践指導,3)まとめであった。1) と2) については,引き続き中学生用文法指導教材を作成して実践指導を行い,その結果,これまでと同様にDDLが記憶の定着に効果が高いことを確認した。さらに小中の英語教育の連携という視点から,小学校6年生において,音声で慣れ親しんだ英文を初めて文字で触れさせ,英文法に意識を向けさせるという目的でDDLを導入した。その結果,言葉の順序・位置,句読点,冠詞や数,品詞,発音に対して気づきがあった。また6年生の6月よりも,中学校入学を控えた2月のほうが言語規則の発見数は多く,言語規則の発見自体をより楽しんでおり,さらに中学校の英語の学びへと意識が向けられていたことがわかった。以上のことから,DDLは小学校での文法指導に活用が可能なこと,導入時期は英語学習歴を考慮する必要があることが確認された。 3)については,これまでのDDL研究の成果を総括して,コミュニケーション活動を重視する英語授業に,文法学習を目的とするDDLをどのような方法とタイミングで組み入れるかを示すための「語彙・文法学習の習得プロセスモデル」を立てた。これを利用することで,英語授業におけるDDLの活用をより詳細に検討できるようになると考える。また,DDL文法学習教材の開発にあたっては,教科書の英文法学習が単元ごとに独立していて,文法学習全体の道筋や文法項目間の系統性が把握しづらく,教科書によって学習順序等の扱いが異なるという問題があった。そこで英文法学習に系統性を持たせ,文法学習の道筋を示すために「英文法学習系統表」を試作し,英文法学習の系統性の可視化を試みた。作成した「英文法学習系統表」は,小中高の英文法学習を接続・連携させる手がかりになるものと考える。以上の「語彙・文法学習の習得プロセスモデル」と「英文法学習系統表」はDDL研究の推進に役立つ。
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Research Products
(23 results)