2016 Fiscal Year Research-status Report
標準VTSフレーズ集とこれに基づいた学習プログラムの作成
Project/Area Number |
25370620
|
Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
高木 直之 東京海洋大学, 学術研究院, 教授 (30272727)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | VTS英語 |
Outline of Annual Research Achievements |
船舶の輻輳した海域や港湾内において、無線通信を用いた船舶の航行支援は、Vessel Traffic Service (以下VTSと略記)と呼ばれている。日本の海域ならびに港湾で航行支援を提供する際、相手が日本語を理解しない外国船の場合、これを英語で行う必要がある。本研究の目的は、(1) この際に必要となる英語の語彙と文法の全体像を言語学的に明らかにし、これに基づいて、簡単な語彙と文法を使った標準VTSフレーズ集編纂し、(2) 次にこれを効果的に身に付ける学習プログラムを作成することである。
平成27年度には、標準VTSフレーズ集の編纂を行い、イギリス人船長によるチェックを経て、これを完成させると同時にこのフレーズ集に使われた語彙の品詞別リストを作成、例文とともに学習することが可能になった。同時にVTSフレーズに使われる文法事項を系統だてて学ぶVTS英語入門という小冊子を作製し、現場の管制官に対する研修に使用した。
これを受け平成28年度には、語彙や文法をQuizlet というe-learningソフト(ユーザーは無料)を学べるようにし、さらにムードルというシステムを使って、学習の成果を試験するシステムを開発し、保安庁の管制官研修で3度、ポートラジオのオペレータの研修で4度、大学での演習で実際に運用し稼働を確認した。28年度末にマレーシアで開催された IALA(国際航路標識協会)のVTS英語のワークショップにも参加し、フレーズ集と語彙集を世界から集まったVTSの専門家とシェアした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の目的である標準VTSフレーズ集の編纂と、これに使われた語彙集、フレーズの作成に必要な文法事項をまとめる教材も完成し、語彙・フレーズをネット上で学習可能にするシステムも完成した。おおむね順調に進展しているといえる。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度は完成したシステムを利用して、すべての語彙・フレーズを学習可能にする作業を行う。それ以前にカナダ英語母語話者で、実際に管制業務にあたっていた人物による最終チェック(これまではイギリス人船長のみ)を行う予定である。最終的なシステムは、海上保安庁が、海上保安学校で開講予定のVTSオペレータの教育に利用できるよう、同庁の担当者とも相談して、開発する予定である。
|