2015 Fiscal Year Research-status Report
Corpora as a reference for intermediate L2 writers: An investigation into the effects and perceptions of learner concordancing in the L2 writing classroom
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25370626
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
QUINN Cynthia 神戸大学, その他の研究科, 准教授 (00368474)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | コーパス / L2 ライティング / 自己修正 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度については、 研究目標B のデータ分析を終え、結果を3つの国際学会で発表し、国際学術雑誌に投稿し、現在査読中である。概ね学生は、コーパスを参照することに積極的な評価をしていた。英語で文章を書く際に辞書を補う役に立つツールとして、言語学習全体にも役立つとみなしていた。ただし学習者がうまくコーパスを使える様になるまでに、多くの困難を克服しなければならなかった。また誤りをコード化してタグ付けをする作業を終えたことで、教員は学生の誤りのタイプを絞り込めたので、レポートのフィードバックを効率よく行えるようになった。学習者が修正した誤りは、連語、文法的連語、単語選択、句動詞や、前置詞用法のように語彙関係の誤りだけに限られていた。こういった誤りは コーパスを参照すると修正しやすくなるが、学習者は、自分のレポートだけに見られる語彙の間違いに集中して訂正するタスクをするうちに、たくさんの修正がうまくできるようになった。他の誤りのタイプ(例えば、動詞の時制、語形、スペリング、句読点など)は直接教員によって誤りを訂正された。最終的に平成27年度のレポートのデータは分析のための準備が完了したので、平28年度には 研究目標Aを扱う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度については、本プロジェクトの研究目標B (コーパス参照についての学習者の受け止め方)は完了した。学生調査、最終成績評価、事後アンケート、および一人一人の相談等、すべての関連データをデジタル化し分析した。研究目標A (コーパス参照についての学習者のパフォーマンス)に関しては、学生のレポートの誤りのデータは前期のライティングの授業において収集された。履修学生数は 15人で、合計で90編のレポートを扱った。(ひとり3編のレポートを提出。45編はオリジナルで45編はその訂正版。)各レポートには平均して約18の誤りがあり、総計で800以上の誤りを分析することになった。27年度は、これらすべての誤りをデータ分析する準備が整った。具体的には、テキスト編集ソフトウェアを使用して、レポート中の誤りをタイプ別にコード化して、誤りにタグ付けをした。この誤りのコード化とタグ付けを補助するために、専門知識のある教員が研究助手として雇われた。誤りの数は膨大で、タグ付けにはかなりの時間を費やした。また誤りのコードを適切に解釈して正確にタグ付けをするためには、EFL学習者の誤りの傾向を経験的に知っている必要があったので、学生の助手にはこの作業は適当ではなかったが、経験豊富な研究助手のおかげで、データ分析の準備はすべて整った。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は15人の小人数クラスだったので、28年度はさらに別のデータを集める予定である。カリキュラム上もこれは実行可能で、サンプル数も増え、新しい学習者を迎えることで、 研究目標Aの結果を強化する 。 28年度はこの新しいデータを集め、コード化し、タグ付けする。これが完了すると、27年度と28年度のデータを合わせて、 研究目標Aに結果を提供するために分析を行う。このデータを分析するために、適切なコンピュータ・プログラムが作成されなければならない。このプログラムで学生のオリジナルのレポートと修正済みのレポートの誤りを処理し、比較する。この作業に伴い、コーパス言語学コンピュータ・プログラマーおよび、または、新たな研究者と協力する予定している。データ分析が完了すると、 研究目標A の結果を国際学会で発表し、 国際学術雑誌にも投稿する予定である。
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