2015 Fiscal Year Annual Research Report
自律及び協調学習を支援する英語ライティングシステムの開発研究
Project/Area Number |
25370653
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Research Institution | Tsuda College |
Principal Investigator |
久島 智津子 津田塾大学, 言語文化研究所, 研究員 (80623876)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
来住 伸子 津田塾大学, 学芸学部, 教授 (50245990)
岸 康人 神奈川大学, 総合理学研究所, 研究員 (50552999)
園田 勝英 北海道大学, メディア・コミュニケーション研究院, 教授 (70113694)
田近 裕子 津田塾大学, 学芸学部, 教授 (80188268)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | オンライン協調学習 / 英語ライティング / 自律学習 / 気づき |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,大学生の英語ライティング力の強化のために,自律及び協調学習を支援するオンライン環境でのライティングシステムを開発し,その有効性を検証するものであった。ライティングシステムは,以下の設計方針に基づいて開発された。 (1)ライティング活動をオンライン・フォーラム上に展開し,学習コミュニティを構築する。 (2)学習コミュニティには,コンピュータ制御により自動化されたバーチャルメンバー(Bot)も参加し,Botは熟達した学習者として,実在のメンバーを支援する。 (3)英作文課題と並行してBritish National Corpus(BNC)等の英文表現モデルを提示し,学習者が自己のライティングを自己修正できるよう支援する。 平成25年度にライティングシステムを開発し,平成25~26年度で大学でのライティング授業に取り入れ,運用後に学習者を対象に実施した質問調査や学習者のライティングの要素(ワード数,節数,4-grams等)の比較分析を基に効果検証を行った。これにより,同期型学習では,Botがモデルライティングを示した場合,学習者が自らモデルと気づき,Botの示す表現を学び取っていることが観察された。また,ピア(学習仲間)が「足場かけ」の働きを行っていることも認められた。27年度では,自律学習の働きを強化する目的で,例文表示を改良し,ポートフォリオ機能も付加した。改良したシステムは,授業で運用し,現在は本システムがもたらす学習効果を調査中である。3年間にわたる本研究の調査・分析を通して,同期型学習では,熟達した学習者を担ったBotやピアのライティングから,学習者が表現などを自ら学び取っている様子が観察され,本システムには自律及び協調学習を支援する働きがあると示唆されている。今後は,多様な状況におけるBotの役割を検討し,またポートフォリオ機能の強化を行い,学習者が学習コミュニティの中で自律学習をさらに強化していけるように,研究を深めていく。
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